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2025.05.26 12:30

アップルの元デザイン責任者ジョニー・アイブ、OpenAIとの取り引きでビリオネアへ

ジョニー・アイブとアップルのティム・クックCEO、2019年撮影(Justin Sullivan/Getty Images)

ジョニー・アイブとアップルのティム・クックCEO、2019年撮影(Justin Sullivan/Getty Images)

iPhoneのデザインを手がけた男が、フォーブスのビリオネアリストに加わろうとしている──。OpenAIは5月21日、アップルの元デザイン責任者であるジョニー・アイブが設立した人工知能(AI)ハードウェア開発企業「io Products(アイオープロダクツ)」を買収すると発表した。

OpenAIはioを64億ドル(約9200億円)と評価し、株式交換で買収する。この取引によってアイブの保有資産は、今後の数年で10億ドルの大台に乗る可能性が高い。

フォーブスの試算でioの11%を保有するアイブは、7億1500万ドル(約1020億円)相当となるOpenAIの株式を受け取る見込みだが、関係筋によればこれらの株式は数年をかけて段階的に付与される予定という。この取引は規制当局の承認を経て成立する。

アイブは、昨年ioを立ち上げる以前に、約30年間にわたってアップルで巨額の報酬を得ながらプロダクトの設計を手がけてきた。彼はまた、負債の差し引き後で約1億ドル(約142億円)相当の不動産を保有し、年間約2億ドル(約284億円)の売上を誇るデザイン会社LoveFrom(ラブフロム)を経営している。

スティーブ・ジョブズが、かつて「私以外でアップルで最も権限を持つ人物」と呼んだこともあるアイブは、すでにビリオネアである可能性もあるが、彼が27年間のアップルの在籍中に受け取った報酬は開示されていないため、それを確認するのは難しい。ただし、米証券取引委員会(SEC)の開示書類には、2008年から2011年にかけて彼が、報酬として受け取った株式の一部を売却し、税引後で約7500万ドル(約107億円)を手にしたと記載されている。アイブはこの記事についてのコメントを拒否した。

OpenAIとioの両者が今後、具体的にどのようなプロダクトを開発するのかはまだ不明だが、21日に公開されたアイブとOpenAIのサム・アルトマンCEOが登場する動画を見ると、ioの買収が同社の新たなAIハードウェアの開発に向けての戦略の重要な一部であることが伺える。

アップルでの経験を次世代の革新に

「私たちは、現代で最も大きな技術革命の始まりに立ち会っていると思う。過去30年で学んできたことのすべてが、この瞬間につながったと感じている」と58歳のアイブは動画で語っている。

アイブは、アップルの元同僚スコット・キャノンやエヴァンズ・ハンキー、タン・タンとともに、約1年前にioを設立した。同社は、2023年にLoveFromがOpenAIとのコラボレーションをひそかに始めたことがきっかけで誕生している。

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編集=上田裕資

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