保守派からの熱烈な支持
シリコンバレーのテクノロジー企業幹部の一部、特に保守派やリバタリアン派は、バンス副大統領を強く支持している。実業家のイーロン・マスクのほか、投資家のデービッド・サックスやピーター・ティールといった著名人がバンス副大統領を公に支持している。マスクはドナルド・トランプ米大統領とバンス副大統領の組み合わせを「素晴らしい決断」だと評し、サックスはバンス副大統領を「米国の愛国者」と呼んだ。これら保守派は、バンス副大統領の投資家としての経歴と、規制緩和の提唱を高く評価しており、技術革新と経済成長を促すものと期待している。
穏健派の慎重な楽観主義
テクノロジー業界の穏健派の中には、バンス副大統領の技術と起業家精神に対する理解を潜在的な資産として認める向きもある。例えば、投資家のマット・マーフィーは、技術に精通した人物が指揮を執ることは有益だと考えている。だが、この楽観的な見方は、バンス副大統領の規制に対する立場や特定の保守的な政策との整合性に対する懸念によって和らいでいる。
進歩派と大手テクノロジー企業の懸念
一方、進歩派や大手テクノロジー企業は、米通信品位法230条(インターネットプロバイダーやプラットフォーム事業者が、ユーザーが投稿したコンテンツに対して法的責任を負わないようにする免責規定を定めた法律)や反トラスト法の執行といった問題に対するバンス副大統領の姿勢に懸念を表明している。同副大統領がソーシャルメディア(SNS)プラットフォームの賠償責任保護の縮小を支持し、大手テクノロジー企業に対する反トラスト法措置を称賛していることは、規制強化の可能性を示唆しているからだ。こうした立場は、連邦政府と大手テクノロジー企業との将来の関係を巡る懸念を引き起こしている。
イデオロギーによる分断が鮮明に
技術と国益の調和を強調するバンス副大統領の姿勢は、技術革新の新たな目的を求めるテクノロジー業界の一部で共感を呼んでいる。他方で、多文化主義に批判的で移民の制限に支持を表明するなど、同副大統領の保守的な文化的見解は、多様性や国際性を重視する業界の面々からは批判を招いている。
このように、シリコンバレーではバンス副大統領に対する賛否両論が渦巻いている。同副大統領は、実務経験や規制緩和の姿勢を評価する保守派やリバタリアン派から支持を集めている一方で、規制上の課題や文化的保守主義を懸念する進歩派や大手テクノロジー企業からは懐疑的な目を向けられている。この溝は、テクノロジー業界で進む政治力学の動きを浮き彫りにしている。


