北米

2025.05.27 10:00

米シリコンバレーIT企業幹部の政治姿勢の変化 保守から中道、近年は多様化へ

Getty Images

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筆者が業界アナリストとして米シリコンバレーを取材し始めた1981年、テクノロジー業界の幹部の多くは政治的に保守的だった。デジタルの未来を創造し始めたシリコンバレーの起業家の大半は政府の介入を最小限に抑えることを望み、自由市場を信奉していたのだ。

ところが1990年代半ば、業界に重要な節目が訪れた。情報化時代に向けた計画を推進するため、政府の支援が必要になり、テクノロジー企業幹部の政治的立場が徐々に中道寄りに移行し始めたのだ。米ソフトウェア企業のネットスケープが最初のインターネットブラウザーを発表すると、筋金入りの保守派でさえも、当時の民主党のビル・クリントン大統領やアル・ゴア副大統領らと交流するようになった。

投資家やテクノロジー企業の経営者らは、インターネットが革命的な技術になるには、帯域幅の拡張や通信規制の整備のほか、幅広い分野での利用を促すため、政府の後押しが必要であることを認識していたのだ。また、ゴア副大統領が上院議員時代にインターネットの実現を可能にした重要な法案の策定に尽力していたことから、当時の政権内に強力な味方がいるかもしれないことにも気づいていた。ウィキペディアには、「ゴアは1986年6月24日、1986年スーパーコンピューターネットワーク研究法案S2594号を提出した」とある。ゴア上院議員は1991年に高性能コンピューター法(HPC法)の草案を作成した後、副大統領として情報スーパーハイウェイ構想を推進した。この経緯については、米紙ニューヨークタイムズが1992年11月の米大統領選挙直後に「クリントンがハイテクを推進、ゴアが指揮」との見出しで詳しく論じた。当時のクリントン大統領とゴア副大統領は「革新的な製品やサービスで経済を潤し、全体的な繁栄の水準を引き上げ、国内の産業を強化する」研究に資金を提供する計画を打ち立てた。

だが、今日のテクノロジー企業幹部らの政治的立場は複雑だ。J・D・バンス米副大統領が今月、資金集めのためにシリコンバレーを訪れた際、筆者は地元のNBCニュースから、同副大統領は当地でどのように見られているのかと質問された。同放送局は筆者の回答のほんの一部しか放送で使用しなかったが、今日のシリコンバレーのテクノロジー企業の現在の政治姿勢について筆者が伝えた内容は以下の通りだ。

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翻訳・編集=安藤清香

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