宇宙

2025.05.26 10:30

巨大太陽嵐の新たな最悪シナリオ、科学者が警鐘 衛星観測史上最大の500倍規模も

太陽のコロナ質量放出(CME)の様子を描いた想像図。左下は大きさ比較のための地球(Earth)(NASA/Goddard Space Flight Center/SDO)

太陽活動に起因する宇宙天気現象によって影響を受ける技術やインフラを描いたイラスト(NASA's Goddard Space Flight Center)
太陽活動に起因する宇宙天気現象によって影響を受ける技術やインフラを描いたイラスト(NASA's Goddard Space Flight Center)

三宅イベント

(14C年代測定法の起点の1950年から)1万4300年前(12350BC)の太陽粒子嵐は、英天文学者リチャード・C・キャリントンが1859年9月に記録史上最強の太陽フレアを観測したことで有名な「キャリントン・イベント」とは異なる種類の現象だ。キャリントン・イベントでは、低緯度の熱帯域までオーロラが出現したが、太陽粒子嵐を伴わなかった。

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このように際立った太陽現象は、発見者である日本の研究者の名前にちなんで「三宅(Miyake)イベント」と呼ばれている。論文の共同執筆者で、オウル大教授のイリヤ・ウソーキンは「三宅イベントにより、いまだ定まっていない考古学的年代において正確な暦年の特定が可能になる」と説明している。三宅イベントから得られるC14の情報は、カナダ最東部ニューファンドランド島のバイキング集落や、ギリシャにある新石器時代の集落の正確な年代を歴史学者が特定する助けになっている。

forbes.com 原文

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翻訳=河原稔

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