Mastercard Economics Instituteは、先日発表した旅行経済における消費動向に関する年次報告の中で、今年の夏、世界中で最も人気の高い旅行先を明らかした。その結果は、誰もが想像するとおり、日本の東京が首位だった。
同研究所の分析によると、東京と大阪は今年に夏に世界中の旅行者から最も注目を集める行先になるという。その背景には、長期的な日本の通貨安(円安)がある。日本の2都市に続き、3位にはフランスのパリが入った。
この順位付けを作成するにあたり、マスターカードは世界的な旅行・航空データを提供するOAG(オフィシャル・エアライン・ガイド)が調べた今夏(6月から9月)の旅行予約データを分析し、前年同期のデータと比較。その結果、旅行者の相対的な増加が見られる地域が、今年の夏に「最も人気が高まる旅行先」となる。
「日本人気」の背景
最も重要なポイントは、日本が国際的な観光大国となっていることだ。それは桜の季節だけではない。日本への旅行は、基本的に「お買い得」状態が1年以上も続いており、これは約38年ぶりに円が最も弱い水準になっているためだ。それに伴い日本観光旅行は急成長し、東京は昨年、「世界で最も訪問される都市」となり、タイのバンコクが過去10年間維持していた地位を奪った。 日本政府観光局の発表によると、今年4月の訪日外国人数は前年比28.5%増の約391万人となり、単月として過去最高を更新した。
「夏の旅行の動向は、経済的要因と変化する旅行者の嗜好の組み合わせによって形成されます。東京が旅行先のトレンドで首位となったことは、為替変動の影響から多くの旅行者にとって魅力的な選択となっていることを明白にしました」とMastercard Economics Instituteのチーフエコノミスト、ミシェル・メイヤーは述べている。



