2. 「自主的にコミットし合う」 関係を築ける
恋愛関係にあり、かつ、お互いを仲の良い友人と捉えているパートナーの場合は、感情面での親密感が高まるのに加え、総体的な仲間意識のレベルが有意に高まることも、2025年の研究で判明している。
こうした仲間意識の高まりは、友情が持つ主体的な性質によると考えられる。
恋愛関係に関する言説の多くは、恋人同士の愛情を無条件で与え合うべきものとして描いている。しかし、友情関係にはこれが当てはまらない。友情とは、お互いの意思を持った選択によってのみ維持されている関係だ。
ある人が自分の友達でいることを選んでくれた場合、その選択は自分が一定の基準を満たしていることが条件となっていることは周知の事実だ。具体的には親切心や思いやり、ユーモアなどが判断の基準となるだろう。要するに、私たちが友人として持つ総体的な価値が、常に考慮されるポイントとなるということだ。
一方、恋愛関係の場合は「パートナーは何があってもお互いを愛するべきだ」という、根強い固定観念がある。そこから生じるのが、恋愛の相手に関しては長所も短所もその人の一部として受け入れるべきだという考えだ。恋愛においては互いに、相手への愛情の増減につながる理由を探すのは意味がない、そんなことをしても何も変わらない、とされている。
友情関係の場合は、恋愛とは異なるレベルの探求やコミットメントが必要となる。恋愛関係とは異なり、「何があっても友人を愛し続けるべきだ」と定めたルールブックは存在しない。そうではなく、友情関係が機能するためには互いに愛情を抱き、相手の人生に関わる理由を常に探し続けなければならない。
こうした理論を裏付ける、より広範なウェルビーイングに関する調査も存在する。2017年、『Journal of Happiness Studies』に2017年に掲載された、英国のデータを用いて大規模な分析を行なった研究によると、結婚そのものが人生の満足度への貢献が大きい要素だったが、「配偶者は自分にとって一番の友人だ」と考えている人では、それが2倍になったという。
言い換えるなら、恋愛関係において好感情が高まるのは、パートナーとの愛情関係だけによるものではなく、その基礎となる仲間意識や友情から生じている可能性が高い、ということだ。
そうした意味で、恋愛関係に内包された友情は、相手にコミットするという、さらに重層的な関係をプラスすると言えるだろう。友人としてのプラトニックな好意と、ロマンティックな愛情の両方を同時に保つには、お互いの良い面を常に見続けるという能動的な選択が必要になる。つまり、親友と恋人という両方の意味で、パートナーに対する価値を見いだすということだ。
これは「恋愛関係にある以上、パートナーは互いを愛さなければならない」という一般的な言説とは異なる在り方だ。むしろ、彼らが互いを愛するのは、相手の存在が自分にとって意義があるからだ。つまり信頼できる盟友、自分の意思で選んだ仲間、喜びと安らぎを絶えずもたらしてくれるよりどころといった存在意義が、その関係を支えているのだ。


