また、このときにはアンディ・ウォーホルのプリントを使用した1991年春夏コレクションのアイコニックなアイテムや、ジャンニにとって最後となったオートクチュールの「ビザンチン・コレクション」を思わせるクロスを取り入れた作品なども披露された。
ショーの終了後には、「ジャンニ、あなたに贈ります」とのDJの言葉を合図に、ゴールドの「オロトン」のロングドレスをまとった元祖スーパーモデルたち、ヘレナ・クリステンセン、シンディ・クロフォード、ナオミ・キャンベル、クラウディア・シファー、カーラ・ブルーニらがステージに登場した。
2022年のミラノ・ファッション・ウィークで発表されたプレフォール・コレクション「Fendace(フェンダーチェ)」も、ドナテラのキャリアのハイライトのひとつだ。
デザイナーのキム・ジョーンズとシルヴィア・ヴェントゥリーニが組んだ「チーム・フェンディ」とドナテラがそれぞれの役割を交換。半数ずつ担当した合計50のルックが、アンバー・ヴァレッタ、ケイト・モスとその娘のライラ・モス、ナオミ・キャンベル、ジジ・ハディッド、プレシャス・リーといったモデルたちによって披露された。
ダリオ・ヴィターレ:ヴェルサーチェの新章
ドナテラはおよそ30年にわたってブランドの精神を育み、ヴェルサーチェの過去を総括すると同時に時勢とテクノロジーの発展に歩調を合わせることで未来を取り込み、独自のイメージを築いてきた。レッドカーペットに登場するセレブたちにとって欠かせないブランドの一つであり、セクシーな魅力と時代を超えたエレガンスの代名詞だ。
そのヴェルサーチェは、ドナテラの退任によって新たな章を迎えた。就任が驚きをもって受け止められたという後任のチーフ・クリエイティブ・オフィサー、ヴィターレは、2006年にイタリア・ミラノのデザイン・ファッション専門学校を卒業。Dsquared2(ディースクエアード)、ボッテガ・ヴェネタ、そして2025年1月まで、ミウッチャ・プラダが率いるミュウミュウで経験を積んでいる。
ヴェルサーチェは同じイタリア企業であるプラダ・グループの傘下に入ったが、それがブランドの将来にとって心強いことであるは、間違いないだろう。ヴェルサーチェは(創業当初からスーパーモデルたちが活躍した時代、ドナテラが主導してきたグラマラスな近年まで)、きょうだいが残してきたすばらしい遺産を深く敬い、メゾンの規範に掲げてきた。そして、それは今後もこのブランドに、確実な未来と新たな、そして刺激的な1章をもたらすことになるだろう。


