民主・共和両党が大統領の「利益誘導」を非難
民主党はこのミームコインと晩餐会の両方を厳しく非難しており、コネチカット州選出のリチャード・ブルーメンソール上院議員は、このイベントが「ホワイトハウスに『売出し中』の看板を掲げたようなものだ」と批判し、「大統領へのアクセスを競売にかけている」と指摘した。
同議員は、今回のイベントを通じて外国からの贈り物や金銭の授受があった可能性に言及し、大統領に対する訴訟の可能性を示唆している。
共和党の一部からも懸念の声が出ており、ワイオミング州のシンシア・ルミス上院議員は今月初め、この晩餐会に「疑念を抱かざるを得ない」と表明。ミームコインが合法であることを認めつつも、「西部開拓時代の無法地帯のような状況を回避するために、規制の枠組みを整える必要がある」としていた。
トランプ一族による暗号資産関連の活動
かつては暗号資産を否定していたトランプは、昨年の大統領選でその姿勢を改めて以降に、この業界の規制緩和に向けて動いている。3月に「戦略的ビットコイン備蓄」創設の大統領令に署名したトランプは、昨年9月にトランプ一族が経営に関わる暗号資産の事業体「ワールド・リバティー・ファイナンシャル(WLF)」の立ち上げを宣言。同社株式の60%を一族で保有している。
トランプのこうした暗号資産関連の活動は、大統領という立場を利用し一族のビジネスに利益を誘導しているとの批判が根強い。ここには、WLFに加えて$TRUMPコインや、メラニア夫人のミームコイン$MELANIAなどが含まれている。
また、WLFが発行するステーブルコイン「USD1」は、5月21日にセーシェルに本拠を置く暗号資産取引所KuCoin(クーコイン)に上場した。クーコインは、米国で無認可の資金送金業の運営やマネーロンダリングに関して今年1月に罪を認め、約3億ドル(432億円)の制裁金を支払い、少なくとも2年間米国市場から撤退することで合意していた。


