
「一丁目一番地」の目標、ガバナンスの達成度は……
歴史あるリーグの変革過程には、どうしても困難がつきまとう。ファーストシーズンを盛況のうちに終えた今、チェアマンはどのように自己採点しているのか。まずは本人が「一丁目一番地の目標」としているガバナンス強化の観点から訊ねた。シーズン前、チェアマンはメディアの取材に対し、3年目での達成を目標に挙げた。
「例えば定款や規約、規程などを変更し、ライセンス規則を作成、それを遵守する意味では、形式的な部分は一定程度整備されたと思います。次はリーグだけでなくクラブも同様、組織マネジメントをしっかり行えるか。例えば、違法賭博やオンラインカジノの問題が発生した際にどう対応できるかなど、まさにガバナンス力に関わってきます。また、PDCAサイクルをきちんと回し、報告・連絡・相談が円滑に行われる組織体制を構築できているかどうかが一つの指標となります。完璧な状態に到達することは難しいので、試行錯誤を繰り返しながら、私自身も含めて、まだ改善の余地はあります」と自信を覗かせた。そこであえて自己採点を聞いた。
「3年前、私自身バレーボールに関わっていないので正確に評価するのは難しい。それでも採点するとするなら、ガバナンスについては当時が2、30点だったとすれば、今は80点近くになっているでしょうか。シーズン前に掲げた目標達成率としては、その水準に達していると考えています」と及第点とした。
2つ目に掲げていた目標は観客数。メディア報道からは盛況に思われたが、これをチェアマンはどう評価しているだろうか。
「今の箱(アリーナ、会場の収容人数)で考える限り、男子についてはもう100点なのかな。100点としなくても90点はあげてもいい。多くの試合でチケットが完売、ファンの熱気も肌で感じています。ひとえに髙橋藍選手をはじめとする人気選手による効果かと思ったら、それだけではない。男子はファン作り、試合でのおもてなしなど各チームが真剣に取り組み考えた結果。スター選手に依存せずとも地域に根ざしたファンベースを築き上げている、今後の成長を支えるのに必要ですね。ただ、女子についてはポテンシャルを考えると、まだ30点、40点と思います。男子が2周、3周前を走っている。(女子は)ポテンシャルは十分にありますが、それを引き出すという点において課題を残すクラブが多い」と男子について大きく評価しつつ、女子については各クラブの意識改革、積極的なプロモーション戦略の展開が不足していると厳しい見方を示した。


