私は、『サンダーボルツ*』の高いクオリティが、より高い収益として報われることを望んでいる。しかし、この映画が存在するだけで十分だとも思う。ただ、映画の主人公がマーベルの主要キャラクターでないという理由だけで、このような作品が今後作られなくなることがないよう、祈るばかりだ。ミズ・マーベルやホークアイ(ケイト・ビショップ)を主人公にした映画が今後制作されるとは思えないし、こうしたキャラクターはヤング・アベンジャーズの1人として映画の中に詰め込まれ、映画そのものとしても良いものにはならないかもしれない。しかし、私は悲観主義者で、結局のところ、物事はうまくいくのだろう。
本稿は当初米国時間5月19日に公開され、5月21日に以下の更新分が追加された。
最初に記事を公開してから2日しか経過していないのは重々承知の上だが、現時点における『サンダーボルツ*』の興行収入は3億2800万ドル(約472億円)で、前回の記事で紹介した3億2500万ドルから上昇した。しかし、このペースは今後大幅に低下することだろう。
今後の興行収入を占う上で、同作品は、ある大きな問題にぶつかろうとしている。5月23日に、トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が公開されることだ。同作品は大ヒットシリーズの最新作であり、伝えられるところによれば、シリーズの最終作品とされている。先週、『サンダーボルツ*』が現在大ヒット中の『ファイナル・デスティネーション:ブラッドライン』の3分の1の成績しか残せなかったことを考えれば、『ミッション:インポッシブル』の公開後にペースが落ち込むのはほぼ確実だろう。
問題は、『サンダーボルツ*』が結局『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と『ブラック・ウィドウ』の成績を追い越せないかもしれないということだ。長期的に見ればその位置まで辿りつけるかもしれないが、現時点ではその2作品が競争相手であることは確実だ。
ひとつだけ明るい話題がある。内部関係者からの最近の噂によると、2026年公開予定の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』において、『サンダーボルツ*』の主人公であるエレーナが、サム・ウィルソンのアベンジャーズチームに所属することになるらしい。2つのライバル関係にあるアベンジャーズチームが、この映画のメインプロットになることはなさそうだ。彼女の他に、バッキーもメンバーに加わらないとすれば、私はかなり唖然とするだろう。他のサンダーボルツのメンバーの出演も決定しているが、彼らが正式なアベンジャーズになるかどうかは、まだわからない。


