リーダーシップ

2025.05.26 09:30

Netflixに学ぶ「リーダーシップ戦略」、コントロールよりコンテクストを重視せよ

Ashish Vaishnav/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

リーダーがNetflixから学ぶべきこと

Netflixは、委員会による意思決定を避けている。同社では大きな事項ごとに、意思決定の最終的な責任を負う「Informed Captain(情報に通じたキャプテン)」を決めているという。

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実際、今日では多くの組織がよりフラットな組織構造に向かっている。例えば、Bayerは昨年5000人分の管理職のポジションを廃止し、自己管理型のワークチームに移行した。このような環境では、セルフ・リーダーシップがこれまで以上に重要になる。また、管理職抜きで意思決定をすることが難しい場合もある。例えば、予算配分は誰が決めるのか?

Netflixでは、伝統的なチームという概念が定義されており、それぞれの文化的背景に則した報告体制がとられている。上記の、情報に通じたキャプテンというコンセプトのもと、各チームは自由に意思決定を進め、独立して活動できる。ビジネスメディアFast Companyのレポートによると、こうしたNetflixの企業文化はZappos、Hubspot、Facebook(Meta)、Hootsuiteなどのハイテク企業にも影響を与えているという。

もちろん、すべての意思決定に全員が同意するわけではない。Netflixではコーディネーターのレベルまで情報が行き渡り、全員が同じデータを見て、意思決定や議論をするにあたって同じインプットを得られるようになっている。

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議論が平行線をたどる場合は、情報に通じたキャプテンがチームからフィードバックを集め、最終決定を下す。そしていったん決定が下された後は、チームのメンバーはそのイニシアチブを実現するためのコミットメントを求められる。

同社のフィードバックやコミュニケーションには、並外れた率直さ、つまり時に不快感を与えるほどの正直さが求められる。Netflixの創業者で現取締役会長のリード・ヘイスティングスは、この「並外れた率直さ」というアプローチは、彼が受けた夫婦カウンセリングから生まれたと語っている。セラピストがヘイスティングス夫妻に正直であることの重要性を教え、その原則が今日も社内に根付いているのだ。余談にはなるが、ヘイスティングスと妻のパトリシア・クイリンは、今年で結婚して34年になる。

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翻訳=江津拓哉

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