宇宙

2025.05.23 10:30

太古の「衝突天体」探索、地球の惑星防衛にどう役立つか

カナダのケベック州中部にあるマニクアガン(Manicouagan)衝突クレーターの衛星画像。約3100平方kmにわたって広がっており、現在はマニクアガン湖となっている。約2億1200万年前の三畳紀末に直径約5kmの小惑星が地球に衝突して形成されたと考えられている(NASA GSFC Landsat/LDCM EPO Team)

大惨事を引き起こす恐れはあるものの、天体衝突が原因で思いがけなくも、地下に埋もれている貴金属が地表に露出したケースがいくつかある。

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ケーベルらの論文によると、現在の南アフリカにあるウィットウォーターズランド金鉱地帯の中央に位置するフレーデフォート衝突クレーターでは、少なくとも部分的に保存された状態にある最大級の衝突構造が形成された。約20億年前、この天体衝突によって地表へと押し上げられた巨大な金鉱脈は1880年代以降、これまでに地球から採掘された金の総量の約3分の1を産出している。

南アフリカにあるフレーデフォート衝突クレーターの衛星画像。ウィットウォーターズランド金鉱地帯の中央に位置する(NASA Earth Observatory image by Lauren Dauphin, using Landsat data from the U.S. Geological Survey)
南アフリカにあるフレーデフォート衝突クレーターの衛星画像。ウィットウォーターズランド金鉱地帯の中央に位置する(NASA Earth Observatory image by Lauren Dauphin, using Landsat data from the U.S. Geological Survey)

人類は活動的な太陽系内で、その形成時の残余物である小惑星や彗星と共存しており、これらの天体は地球の生命に甚大な脅威をもたらす可能性がある。問題は、このことを人々の大半が認識できていない点だ。

地球の表面にある過去の衝突クレーターは、人類が常に宇宙からの天体衝突に晒されており、破滅的な結果がもたらされる場合も多いことを思い出す手がかりとなると、ケーベルは指摘した。天体衝突事象は過去に発生しており、未来にも必ず起きると、ケーベルは続けている。

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forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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