暗号資産

2025.05.22 12:00

ビットコインが史上最高値を更新、「GENIUS法案」可決で業界全体に勢い

Shutterstock.com

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暗号資産ビットコインの価格は5月21日に一時10万9700ドル台(約1568万7100円。1ドル=143円換算)に上昇し、トランプ大統領の就任直後に記録したこれまでの最高値を上回った。この背景には、19日に米議会上院がステーブルコインに関する規制の枠組みを整える法案の審議入りを可決したことで、業界全体に期待感が広がったことが挙げられる。

ビットコインの価格は米東部時間21日午後に4%以上上昇して、約10万9700ドル(約1568万7100円)をつけ、1月20日に記録したこれまでの最高値の10万9228ドル(約1561万9604円)を突破した。

他の暗号資産もこの24時間で上昇しており、イーサリアム(3.2%高)やXRP(2.4%高)、ソラナ(3.3%高)、ドージコイン(2.7%高)などがビットコインの上昇に続いている。

ビットコインの価格は5月頭には9万6500ドル(約1379万9500円)を下回っていたが、19日に上院が可決した「GENIUS法案」への期待感から、他の暗号資産とともにここ数週間で上昇していた。米国における支払い用ステーブルコイン(payment stablecoin)の発行・運用を規制するこの法案は、8日の採決では民主党からの反発で必要な賛成数を得られなかったが、19日の投票で賛成66票、反対32票で可決された。

GENIUS法案は、米ドルなど法定通貨に連動する暗号資産ステーブルコインに対して、規制の枠組みを整えるための初の法案であり、消費者保護の強化や発行企業への制限を盛り込んでいる。

情報サイトのコインゲッコーによると、世界の暗号資産全体の時価総額は、21日午前11時までの24時間で約1110億ドル(約15.8兆円)増加し、3兆4300億ドル(約490兆円)から3兆5400億ドル(約506兆円)に上昇した。

共和党のビル・ハガティ上院議員が2月に提出したGENIUS法案は、ステーブルコインの発行元に対して、その裏付けとなる準備金を保有することなどを義務付けており、これによって消費者を保護し、市場全体が売りに傾いた際のコインの暴落を防ごうとしている。また、発行元が破綻した際には、コインの保有者に優先的に返金もしくは補償を行うことを義務づけている。

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編集=上田裕資

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