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2025.05.22 09:30

AIを用いたバイオ企業「Somite AI」が68億円調達、味の素やOpenAI幹部らが出資

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実験プロセスをAIで効率化

幹細胞を特定の成熟状態へと導くためには、環境と生物学的シグナルの両方を緻密に調整しながら、繰り返し実験を行い、発生経路を突き止める必要がある。このプロセスには通常、長い年月と数千万ドル(数十億円)規模のコストを要するが、AIの活用によってその効率を飛躍的に高めることが期待されている。ただし、その実現には膨大なデータが不可欠となる。

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そのため、ソウマイトAIは大規模なデータを、「完全に自然な方法」で効率よく生成するための独自技術を開発した。これは、細胞をカプセルに封入してさまざまな環境に通すことで、その変化を把握するものだ。この方法により、同社は従来の1000倍のスピードで細胞の変化パターンを収集できるようになったという。

もうひとりのソウマイトAI共同創業者、ジョナサン・ローゼンフェルドによると、このデータこそが同社AI基盤モデル開発の基礎となったという。同社は現在、約100万通りの条件で細胞がたどる発生経路をマッピングしているが、年末までにこれを1000万通りにまで拡大する計画という。

ソウマイトAI は、幹細胞から目的の細胞を作り出すプロセスにDeltaStemのプラットフォームを用いることで、従来の方法ではコストが高く、時間がかかり、手作業による試行錯誤を要するプロセスを効率化しようとしている。「AlphaFold(アルファフォールド)がタンパク質の立体構造を予測することで構造生物学を変革したように、DeltaStemは、ヒト細胞を大量かつ正確に作り出すために必要な条件をAIで予測しようとしている」とブレイクストーンは述べている。

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モデルナの成功やAlphaFoldのノーベル賞授与で投資が増加

従来のバイオテクノロジー企業が個別の治療薬開発に注力するのに対し、ソウマイトAIのような「テックバイオ」と呼ばれる企業は、複数の疾患に対応可能な汎用的なプラットフォームの開発に取り組んでいる。モデルナの成功やAlphaFoldがノーベル賞を授与されたことを受けて、データとAIを用いて医療分野に変革をもたらす企業には、これまで以上に投資家の資金が流れ込んでいる。

「当社の基盤モデルとプラットフォームは、病気や損傷を受けた組織を修復・再生するための細胞パーツを、必要なときに作り出せる未来の実現につながるものだ」とブレイクストーンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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