若い頃と違って35歳以上のミドル世代の転職は難易度がグッと上がります。転職したい人に対する求人の数は年齢が高くなるほどに減っていく実態があると、ミドル世代専門転職コンサルタントの黒田真行氏は指摘します。
そんな中でも転職に成功できる「いつでも会社を辞められる人」が持ち合わせている人間関係づくりにおける「タテ」と「ヨコ」のつながりについて、黒田氏の著書『いつでも会社を辞められる自分になる』(サンマーク出版)から、一部引用・再編集してご紹介します。
20代なら「プラス15歳」、40代なら「マイナス15歳」
人とのつながりがビジネスパーソンにとって極めて重要なのは言うまでもありません。ただ、意識してほしいのが、年齢の幅です。
学生時代のつながりがずっと続いているという人もいるでしょうし、新卒で就職したときの同期や、会社に入って最初に仕事を教わった先輩や上司と親しくなっていくこともあります。また、自分が経験を積んだ後に後輩が入ってきたり、部下ができたりすると関係性は当然のように広がっていきます。
もちろん、社外の取引先やお客様とのお付き合いもある。自分の上司世代のお客さまもいれば、同世代の担当者とのつながりが深まることもあります。
ただ、人とのつながりを自分で意識して編集していくという発想がない場合には、多くの場合、自分よりプラス5歳、あるいはマイナス5歳の「自分の年齢の上下10学年ほど」の幅に収まる傾向があります。
自然なことではありますが、あえてデメリットがあるとすると、自分が20代、30代、40代と年齢が上がっていくに従って、その彼らも同様に高齢化していくということです。
そこでぜひ意識してほしいのが、自分よりもプラス15歳、あるいはマイナス15歳の人脈を作っていくことです。
「周囲総高齢化」でビジネスチャンスは激減する
たとえば自分の年齢を中心に、上下10歳くらいの幅のお付き合いしかない場合、40代を超えて50代が近づく、あるいは50代を超えた場合、もしビジネスでつながりを活かすことになれば、その影響度は残念ながら下がっていくと言わざるを得ません。
たとえば50代後半の私は、求人サービスのコンサルティングの仕事もしていますが、仕事の相手先になるのは、現場の40代の課長クラスが中心です。私の同年代は、すでにごく一部が社長や経営幹部クラスに残っているくらいで、現場はすでに30代や40代に世代交代しています。



