肉食系のように見えるそんな会社にとっては結果的に、ライバル企業が減って以前より業績を上げやすくなっているということがあります。また、そういう企業で足腰を鍛えた若者たちが、そこで結果を出し、さらに成長するようなスパイラルを描くケースも増えています。実際にそういう会社で力をつけた人材は、転職市場で引く手あまたな状況です。
「言われなくても率先して」取り組む人
ただし、「若いうちは無理をしたほうがいい」という言い方は少し乱暴だと思っています。それはブラックな環境を許容する理由にもなってしまう。それよりも、社員が状況をしっかり理解し、率先してやれるような環境があるかどうか、が重要だと思います。
個人的には、実力があったり、周囲から信頼されたりしている人というのは、率先して新しい取り組みをしてみたり、たとえ人が嫌がるような仕事でも、やり方を工夫してやってみたりという印象があります。力をつけていく人には理由があって、ただ厳しいということではなく、「率先して主体的に行う経験」をどれだけ積めるかが、極めて重要なのです。
無理が必要なのではなく、自ら矢面に立っていく打席の数をどれだけ経験できるか、です。その打席数を意識することです。
また、成長するためには、長時間働くロングワーカーのようになることが必要だ、と考えている人がいますが、これも違います。むしろ、どれだけ短時間で効率よく成果を出せるかこそ追求したほうがいい。「たくさん働けばいい」というものではないのです。
一方で企業の側も、意識を変えていく必要があります。これからは、優秀な人に選ばれる会社にならないといけないということです。そのためには、彼らを納得させられるだけの環境がなければならない。
成長欲求が高い人には、成長できる環境を提供できるかどうかが問われるのです。「ゆるホワイト」にすっかり満足して、ゆるさに慣れてしまった社員ばかりになった会社は、どこまで勝ち残れるのか。
優秀な人ほど引く手あまたですから、いろんな会社からオファーが来ます。逆にこうした優秀な人から選ばれるかどうかが、会社の存続を大きく左右する時代が来ています。
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