35歳以上のミドル世代になると、転職の成功率は年齢が上がるごとに低下。転職したい人の数は変わらないのに求人数が減っていくという実態があります。それでも転職に成功しやすい人は、会社に言われるままのゆるホワイトな環境に甘んじず、自分で勉強して、努力してスキルを高めるなどの危機感を持っているとミドル世代専門転職コンサルタントの黒田真行氏は言います。
「いつでも会社を辞められる人」が意識的にどんな経験を積んでいるかについて、黒田氏の著書『いつでも会社を辞められる自分になる』(サンマーク出版)から、一部引用・再編集してご紹介します。
自ら「足腰を鍛える」環境に飛び込む人
海外を見渡すと、「ハングリー」で「ノールール」とも言える猛烈な動きをする20代の若者の働き方が当たり前になっている国もあります。国際的な仕事をするとなれば、戦わなければいけないのは、弱肉強食志向の相手かもしれません。
さて、「ゆるホワイト」な状態で太刀打ちができるかどうか。もしかしたら、吹き飛ばされてしまうかもしれない。
そうでなくても、しっかりとスキルを身につけられなかったら、極めて厳しい未来が待ち構えていると言わざるを得ません。何かの形でもし今の立場を失ってしまうと、次に行き場がない。待ち構えているのは、「下ぶくれ」した低収入ゾーンということもありえます。
一方で、成長志向の強い若者たちはどんどん力をつけています。それこそ、成長志向の高い社員の多く集まる会社、世間で厳しいと言われている会社に敢えて飛び込み、足腰を強くしようと考えている人もいる。
実際、かつてハードなイメージのあった営業職も今はインサイドセールス(メールや電話といった遠隔の手段で顧客とコミュニケーションする内勤の営業活動)、カスタマーサクセス(商品やサービスを通じて顧客の成功を支援する)など、細かく分業されています。新規開拓の訪問営業などが減少する中で、仕事の負荷や厳しさをハードにこなすことをマネジメントの一環として重視している一部の会社では、今も新規開拓の訪問営業が行われていたりします。



