アジア

2025.05.21 09:00

印パ衝突でも「電子戦」が重要な役割 中国のシステム、仏製戦闘機撃墜に寄与か

2023年3月23日、パキスタン・デー・パレードで編隊飛行するパキスタン空軍の中国製J-10C戦闘機(rehan waheed/Shutterstock)

2023年3月23日、パキスタン・デー・パレードで編隊飛行するパキスタン空軍の中国製J-10C戦闘機(rehan waheed/Shutterstock)

インドとパキスタンは4月下旬から5月上旬にかけての緊張激化と軍事衝突に際し、かつては音をたてたり威嚇的な踊りをしたりしていたような戦争儀式が次の段階に進化していることを露わにした。電子戦(EW)システムの戦闘配備である。戦車や大砲に加え、この種のシステムも展開することは、戦闘が電子領域にも広がっているという現代戦の新たな側面を反映している。

ロシア・ウクライナ戦争に見られるように、電子戦技術は戦場に決定的な影響を与える。電子戦システムは、通信やレーダー、ナビゲーションなどに用いられるさまざまな電子信号を妨害する。具体的にいえば、GPS(全地球測位システム)信号を遮断したり、ドローン(無人機)やミサイルの制御リンクを妨害したり、地上や空中の通信を混乱させたり、あるいは防空網を支えるレーダーを弱体化させたりする。

インドとパキスタンはそれぞれ電子戦システムを国境沿いに配置することで、互いに威嚇を行っただけでなく、実際に相手側の攻勢作戦や防勢作戦の遂行能力を低下させた。

インドとパキスタンの電子戦アセット

両核保有国間の緊張が急激に高まるきっかけになったのは、両国などが領有権を争うカシミール地方のインド支配地域のパハルガムで4月22日、パキスタンと関連があるとされる武装集団によってインド人観光客ら26人が殺害された事件だった。

インド側が先に動き、複数の電子戦システムを国境沿いに展開させた。インド軍の主力電子戦システムは、車両145両で構成され、幅150km、深さ70kmをカバーする「サミュークタ」である。2004年に自国で開発したこのシステムは、電子偵察、方向探知、通信信号とレーダー信号のジャミング(電波妨害)などを行う能力を持つ。インドの電子戦装備にはほかに、山岳地帯での使用を想定したジャマー(電波妨害装置)「ヒムシャクティ」、空軍のフランス製ラファール戦闘機の統合電子戦システム「スペクトラ」などがある。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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