MERSの症状は?
他の呼吸器ウイルスと同様、MERS感染の一般的な兆候と症状には、発熱、咳、息切れ、肺炎などがある。患者によっては吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状がみられることもある。MERSは致死率が高いものの、無症状から呼吸不全や死亡まで、さまざまな症状がみられる。無症状の感染者は知らないうちにウイルスを拡散する恐れがあり、感染が確認されないこともあるため、致死率は実際より多く見積もられている可能性がある。糖尿病や心臓病、肺病、腎臓病、がんなどの慢性疾患を患っている人は、重篤な症状になる確率が高くなる。
MERSはどのように広がるのか?
MERSは、感染したヒトコブラクダとの直接的または間接的な接触によって人間に感染する。感染した人間は、咳やくしゃみをした時の接触や呼吸器分泌物を通じて他の人にウイルスを感染させる可能性がある。
リスクの高い人は?
ヒトコブラクダとの接触後、またはアラビア半島への渡航後14日以内に重度の呼吸器症状と発熱を呈した人は、MERSの可能性を考慮する必要がある。そのほか、アラビア半島への渡航後に発病した人との密接な接触による感染リスクもある。
治療法やワクチンはあるのか?
MERSに対する特別な治療法は対症療法以外にはまだ存在せず、ワクチンもないが、研究は進められている。最も重要なことは、ラクダやリスクのある人との接触を避けることだ。2021年以降、MERSの感染者数が減っていることを考えると、病院で実施された新型コロナウイルス感染拡大防止措置がMERSに対しても有効である可能性がある。
王室のラクダは中東では確かに興奮を誘う歓迎の見せ物だ。しかし、砂漠でラクダに乗る前にはよく考えた方が良いかもしれない。


