3. 究極の解決策「心理的安全性」
信頼や包括性、相互尊重のある職場にすることで、イノベーションの促進や生産性の向上、そして最も重要なことに人材の定着率の上昇といった具体的な利益が得られるとシャーマンは考えている。「心理的に安心できる職場づくりは、人事部門だけが取り組むべきものではなビジネスの必須条件だ」と話す。
不適応の企業は最も貴重な資産を失う
今年、米国の労働者の半数近くが転職を希望しており、この割合は過去10年で最も多い。一連の解雇やオフィス出社の義務化、仕事量の急増を受け、従業員はもはや黙ってはいない。柔軟な働き方やワークライフバランスを考慮しない大企業に反発して、声高に主張して突然退職している。
本当のリーダーシップや会社への有意義な貢献、信頼の文化構築に取り組む組織では、人材が定着するとシャーマンは予想している。職場の状況が徐々に変わる中で、変化に適応できない企業は最も貴重な資産である人材を失うリスクがある。このことを正しく理解している企業は、単にRTOへの反発としてのリベンジ退職を防ぐだけでなく、職場環境の水準を高く維持できるとシャーマンは考えている。


