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2025.05.22 12:30

億万長者はセキュリティーにいくら使っている? 危険性が高まり護身サービス隆盛 米国

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超富裕層の身の安全に対する不安は自分自身にとどまらず、子どもたちにも及んでいる。脅威は、課外活動への参加など、日常生活で移動している時に最も大きくなるからだ。学校は比較的安全な傾向にあるが、それでも危険は伴う。

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教育現場のコンサルティングを行う米マンハッタン私立学校アドバイザーズを設立したアマンダ・ウーリーは、エリート私立学校でさえ、従業員を適切に審査しているとは限らず、校門の施錠や身分証明書確認の担当者を置くといった基本的な安全管理を怠っている場合もあると指摘する。こうした中、子どもの学校を選ぶ際、安全性を優先する親が増えているという。ウーリーは「ニューヨークでは現在、上流階級とその子どもたちに対する危険が過去最高水準に達している。私たちはニューヨークだけでなく、全米で事業を展開しているが、ロサンゼルスの人々も同じことを口にしている」と述べた。また、ウクライナやガザでの紛争に関連した偏見により、不安が高まっていると訴える親もいる。

懸念が高まっているにもかかわらず、億万長者の子どもが学校などにボディーガードを伴うことはまれだ。子どもたちはボディーガードに付き添われることを恥ずかしいと感じたり、自身の行動の自由が著しく制限されたりすることを嫌うためだ。ウーリーは、超富裕層である億万長者や有名人は、自身の子どもが普通の生活を送れないのではないかと心配する傾向がある一方、億万長者ほど莫大な資産を持たない一般的な富裕層の親の方が、子どもたちを厳格かつ目に見える形で守ろうとする傾向が強いと話す。子どもにこのような厳重な保護を施すことについて、ウーリーは「極めて不健康だ」と批判。「聡明な人たちは、何十億ドルという大金があったとしても、自立することができなければ、自分の子どもに何が起こるかを理解している」と指摘した。

では、どうすれば良いのだろうか? 子どもたちが気づかないように守ることだ。米リスク管理コンサルタント会社クロールのダン・リンスキー社長は、顧客が脅迫を受けていた時、顧客の娘の大学に私服チームを派遣したことがあると語る。「私たちは当然、顧客の日常生活を壊したくなかった。今でも、顧客の娘は自分が保護下にいたことや、人々が自分を監視していていたことには気づいていなかったと思っている」

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親が子どもの身につけているものに追跡装置をつけることもあるが、子どもは気づいていないことがほとんどだ。そのほか、学校の職員のように見える警備員が雇われることもある。中には、別の名前、特に名字で学校に通う子どももいる。これは、自分の氏名を認識できない年少の子どもによくみられる。

富裕層や権力者が自分自身と家族の保護に注力している現在は、個人を守る護身ビジネスが成長しているが、これが長続きするとは限らない。先述のファルケンバーグは「混乱が拡大したり、企業幹部への攻撃が増えたりしない限り、人々は気にしなくなるだろう」とみている。「人々は今、個人の護衛に注目しているが、1年後には注目度ははるかに低下しているだろう」とした上で、「記憶というのは、驚くほど短いものなのだ」と結んだ。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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