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2025.05.22 12:30

億万長者はセキュリティーにいくら使っている? 危険性が高まり護身サービス隆盛 米国

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ある程度評判の良いボディーガードを安く雇えば、年間12万ドル(約1700万円)「程度で済む」かもしれない。とはいえ、危険を軽減するために専門家がそれを推奨することはまずない。実際、米国の億万長者のほとんどは専属のボディーガードを雇っていない。むしろ、以下に挙げるサービスの方が一般的だ。

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インターネット上の脅威や個人情報の漏えいを監視するチーム(有名企業に委託した場合の平均的な料金:24時間365日の高度な補償で年間20万~30万ドル、約2900万円~4300万円)、護衛訓練を受けた専属運転手(運転手2人で25万~50万ドル、約3600万円~7200万円)、防犯カメラや武装警備員を含む住宅警備(75万~100万ドル以上、約1億1000万円~1億4000万円以上)、旅行中の保護(料金は行き先によって異なる)。フォーブスが聞き取りを行った専門家によれば、億万長者の護衛チームはこれらに加え、医療訓練を受けたパートタイムのボディーガードや、本人が到着する前に現場の安全を確保する担当者を含むことが多く、最低でも200万ドル(約2億9000万円)以上の費用がかかり、チーム内の1人当たりの年間の報酬は20万ドル(約2900万円)にも上るという。

これらの費用は、役員報酬の一部として企業が負担することもある。米国の税法では、安全上の懸念を示す明白な理由がある場合、従業員がその利益を損金処理することが認められている。

写真共有アプリ「スナップチャット」を所有する米スナップは昨年、エバン・シュピーゲル共同創業者兼CEOの個人警備に280万ドル(約4億円)を支払った。グーグルを傘下に持つ米アルファベットは、スンダー・ピチャイCEOに830万ドル(約12億円)を投じた。米メタは、マーク・ザッカーバーグCEOとその家族を守るために2440万ドル(約35億円)を支出した。

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ザッカーバーグCEOは、さらに自腹を切って護衛を強化しているようだ。同CEOは米国の億万長者の中でも最大規模の護衛団を雇っており、フルタイムの職員は恐らく20人ほどだろうと2人の専門家が推定している。護衛サービスを営む米MPSセキュリティーのマイケル・ジュリアンCEOは、ザッカーバーグCEOについて、「驚くほど冒険好きで、大胆で行き過ぎたことばかりしている」と描写する。「あの男はランニングやマウンテンバイクに出かけると、どこに行くにもフルチームを引き連れている。例えば、訓練を受けたウォータースポーツ専門のチームを持っていて、救命処置を含むあらゆることを任せている」

2017~20年まで米政府の外交保安局を率い、現在は防犯カメラなどを扱う米ベルカダの最高戦略責任者(CSO)を務めるマイケル・エバノフは、有名人が直面するリスクが高いことは明白だが、医薬品やエネルギー、医療、保険といった「人々の怒りをあおる分野」で働く人々にとっては特に脅威が大きいと強調する。

脅迫は暴力的な場合もあるが、億万長者が直面する一般的な犯罪は詐欺であり、これは親戚や従業員、その他の個人的なつながりによって行われることが多い。例えば、不満を持った従業員が経費報告書の項目を偽った場合、個人の護衛チームではなく、法廷会計士が対処することになる。

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翻訳・編集=安藤清香

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