アジア

2025.05.20 17:30

中国のバッテリー大手CATLが香港上場、6600億円調達し今年の最大のIPOに

Li Hongbo/VCG via Getty Images

Li Hongbo/VCG via Getty Images

電気自動車(EV)向けバッテリーで世界最大手の中国企業、CATL(寧徳時代新能源科技)は5月20日、香港取引所に上場した。米国防総省の監視リストに追加された同社の新規株式公開(IPO)は、地政学的リスクに見舞われながらも、今年の世界最大規模となる上場案件として投資家の注目を集め、株価は取引初日に一時約17%急騰した。

ビリオネアの曾毓群(ロビン・ゼン)が率いるCATLの株価は20日午前の取引で約307香港ドルにまで上昇し、公開価格の263香港ドルから大きく跳ね上がった。同社はすでに深圳証券取引所に上場しており、今回の上場で重複上場となった。

CATLは、上場に伴う公募増資などで356億香港ドル(約6560億円)を調達した。当初は310億香港ドル(約5710億円)の予定だったが、投資家の引き合いが強かったために増額した。同社は、この上場で調達した資金の大半を、ハンガリーで建設予定の新工場に充てる計画だ。

「投資家は、CATLが米国政府の監視対象とされたことを、さほど気にしていない。彼らの関心は株価が上昇するかどうかだけだ」と香港の光大証券(エバーブライト・セキュリティーズ)のストラテジスト、ケニー・エンはコメントした。

米国防総省は1月にCATLを「中国軍事企業」に指定し、中国の軍事的進展を支援していると非難した。このことは、同社の評判に影響を及ぼす可能性があり、米国企業が同社との取引に慎重になる要因になり得る。しかし、テスラを含む世界の自動車ブランドにバッテリーを供給するCATLは、軍関連事業への関与を否定している。

CATLの発行株の約半数は、クウェート投資庁や上海高毅資産管理、UBSアセット・マネジメントといった長期保有を約束したコーナーストーン投資家に購入された。「これは同社の株式に対する投資家の需要が極めて強いことを示している」とモーニングスターの株式アナリストであるビンセント・サンは20日のノートで指摘した。

一方、調査プラットフォームSmartkarmaを通じて情報を発信している株式アナリストのアラン・ジョージは12日の調査ノートで、CATL株の公募価格は割安で魅力的だと述べていた。同社株の2025年の予想利益に対する株価収益率(PER)は16.6倍で、LGエナジーソリューションやサムスンSDIといった同業他社と比べて45%のディスカウントになっていると彼は分析していた。

しかし、エバーブライトのエンは、CATLの深圳での上場株の時価総額がすでに1兆人民元(約20兆円)を超える規模に達していることから、投資家が利益確定を急ぐ可能性を警告している。彼は、同社株が「今後も上昇し続けるのは簡単ではない」と述べたうえで、「短期の投資家は利益確定を優先してもよいだろう」と述べている。

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編集=上田裕資

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