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2025.05.20 13:00

アリババ株が急落、トランプ政権がiPhoneへの「中国製AI」搭載に懸念で

Photo Agency / Shutterstock.com

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中国のEコマース大手アリババの株価が5月19日の香港市場で一時4.8%急落した。この株価の急落は、中国で販売されるアップルのiPhone向けにアリババが人工知能(AI)技術を提供しようとする試みについて、米国政府が問題視していると報じられたことによるもの。

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香港市場とニューヨーク市場に二重上場するアリババの株主らは、ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の米国時間5月17日の記事に反応した。同紙によれば、米国政府は、アップルが中国で販売するiPhoneに、アリババのAI技術を搭載する計画について調査しているという。

NYTは、事情に詳しい3人の関係筋の話として、ホワイトハウスの高官や議員らが、この計画がアリババのような中国企業のAI能力を高め、アップルが中国政府からの検閲により一層強くさらされるようになることを懸念していると報じていた。

「米中間の貿易をめぐる戦いが続く中で、アップルとアリババの提携は、新たな懸念材料になっている」と、香港を拠点とするキングストン証券のアナリストのディッキー・ウォンは述べている。

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ウォンはまた、トランプ政権が中国からの輸入品に課す関税についても言及している。米国は、中国本土と香港からの小口輸入品に対する関税免除措置(デ・ミニミス・ルール)について、5月2日に適用を停止した。この仕組みはアリババ、同社競合のSHEIN(シーイン)、Temu(テム)らに有利に働いていたため、この措置により中国のEコマース業者は大きな打撃を受けると予測されていた。

これらの輸入品に課される関税の引き上げは、その後の米中の交渉によって90日間の一時停止が合意された。しかし、米中間の緊張は依然として高いままであり、この期間が終了して新たな合意がない場合は、関税は再び大幅に引き上げられる可能性がある。

そんな中、これまでグローバル展開を成長の主要な原動力としてきたアリババは、15日に期待外れの第4四半期(1月〜3月)決算を発表した。同社の四半期の売上高は、前年同期比7%増の2364億元(約4.7兆円)で、アナリスト予想を下回った。これを受け、アリババの株価は香港市場とニューヨーク市場の両方で16日に急落した。

投資家の間では、中国におけるAIの進展を背景に、アリババのクラウドサービスへの需要がさらに高まり、同部門の売上もそれに応じて大きく伸びると期待されていた。だが、今四半期のクラウド部門の売上は前年比18%増の301億元(約6000億円)にとどまり、「そうした強気の見方には届かなかった」と、上海の調査会社86Researchのアナリストは述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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