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2025.05.25 09:15

60歳以上の終活意識7割に 財産やパスワード管理も課題

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最近、よくメディアなどを通じて「終活」という言葉を耳にするが、実際にどのくらいの人が終活を考えているのか。NEXERとメモリードグループによる調査により、60代以上が考える終活の実態についてわかった。

まず、将来的に終活をしようと思うか聞いたところ、「思う」「すでにはじめている」を合わせると68.1%に上り、大多数の人が考えていることがわかった。

終活をしようと思う理由としては、「子ども達の負担を軽くしたいから」(60代・女性)、「自分の死後、残された家族に迷惑をかけたくないから」(60代・男性)、「子孫が路頭に迷わずにすむよう資産を継承したいから」(70代・男性)と残った家族を心配する声が多数みられた。一方、「思わない」と回答した人には、「自分が亡くなるという感覚がまだないから」(60代・男性)、「子供もなく、甥に頼む事になりそうなので、あまり肩に力を入れずに、密かに進めておきたい程度」(60代・男性)など、まだ死を現実として受け止めていない人が多いようだ。

終活でどのようなことをするかの問いには、「身の回りの整理」が85.4%でトップ。「財産整理」(56.9%)「デジタルデータの整理」(37.5%)と続いている。中でも、どれが一番重要か聞いたところ、「身の回りの整理」「財産整理」に続き、「エンディングノートの作成」が3位に入った。「エンディングノートの作成」と回答した人の理由としては、「ネットのサイトのパスワードやプロバイダーへの連絡等、伝えておくことがあるから」(60代・男性)「エンディングノートにそって書いておけば、細かいことまでまとめて意思表示できそうなので」(60代・女性)となっており、自分だけしか知らない情報を、事前に家族へ伝えるのではなく、死後に伝えたい気持ちがあるようだ。特にパスワードは現代社会ならではだろう。

一方、すでに終活をはじめている人は、身辺整理はもちろんだが、2位に「葬儀・墓の準備」がランクインした。終活を意識したきっかけとしては、「親を見送った後、何もかも手探り状態で色々苦労したので」(60代・女性)、「ユーチューブ動画で亡くなったたあとの整理や知人から突然死んだときに部屋の整理や他のことで家族が苦労することを知ったから」(60代・男性)などの意見がみられ、苦労した経験や身近な人の死、情報に触れたことを挙げている。

確かに、子供の立場からすれば、親の人脈や預貯金などを把握していることもなく、そういった情報が、事前に知らされたりエンディングノートに書かれたりしていれば、対応しやすいだろう。立つ鳥跡を濁さずと言う言葉があるが、何があるかわからない世の中。どんな世代でも終活は考えたほうがいいのかもしれない。

出典: NEXERとメモリードグループ「終活に関するアンケート」より

文=飯島範久

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