北米

2025.05.24 10:30

トランプ、資産倍増の錬金術「もはや不動産王ではない」

ドナルド・トランプ米大統領(Spencer Platt / Getty Images)

大統領就任の数日前、次期大統領は$TRUMPというデジタル・トークンを発表した。それは投資の体裁すら装うことなく、ギャンブラーたちに新たなゲームを提供するものだ。たくさんの人がこれに参加し、推定3億5000万ドルの取引手数料と、トランプに関連する団体向けのドル連動型暗号資産を生み出した。トランプの正確な取り分は不明だ。このプロジェクトにはパートナーがおり、それは2007年出版の『大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ』(邦訳:徳間書店)の共著者である旧友のビル・ザンカーに関連する団体だと報じられている。なんにせよ、大統領は税引き後少なくとも1億1000万ドルを手にしたと考えて間違いない。

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トランプはまだその詐欺判決関連で負債を抱えている。上訴の間にも利息が加算され、それは総額約5億ドルに達している。しかし、ジェームズ司法長官にトランプ・ビルを差し押さえようという考えは、もうないだろう。価値暴落と物件を担保にした巨額のローンによって、深刻な債務超過に陥っているからだ。ただ、トークン売却のおかげで推定8億ドル近い流動資金を手に入れたトランプが、ビルや司法長官について心配しているとは考えにくい。

彼は今や暗号資産の王なのだから。


トランプ大統領の持ち札

Anna Barclay / Getty Images
Anna Barclay / Getty Images

トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ|価値:26億ドル(+22億ドル)

トゥルース・ソーシャルの親会社は、公開株式として盛んに取引されており、株価は事業とは無関係の政治ニュースによってしばしば変動している。同社の最新の取締役は元共和党下院議員のジョージ・ホールディング、CEOは同じく共和党の元下院議員、大統領が彼の情報諮問委員会のトップに指名したデビン・ニューネスであるため、それは驚くようなことではない。選挙前に63億ドルでピークに達したトランプのもち株は、現在では彼の純資産の半分以上を占めている。

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流動資産|価値:7億7400万ドル(+3億5800万ドル)

トランプは最初の任期が終わって以来、キャッシュを積み増している。最初は不動産売却や資産の借り換えで、その後は暗号資産で利益を得た。

マール・ア・ラーゴ|純資産価値:3億6800万ドル(+7600万ドル)

不動産業界の専門家は、トランプのこのプライベートクラブの価値はかつてないほど高まっていると考え、「再選ボーナス」に値すると考える人もいる。

トランプ・ナショナル・ドラール|純資産価値:2億4800万ドル(+9900万ドル)

コロナ禍の後、マイアミにあるこのゴルフリゾートは力強く回復。2023年の営業利益は推定2500万ドルと、パンデミック前のほぼ3倍となった。

57丁目東6番地|純資産価値:1億4800万ドル(+4100万ドル)

長年空室だったが、2024年11月にルイ・ヴィトンが5階建ての店舗をオープンした。2カ月後、LVMHの会長兼CEOベルナール・アルノーがトランプの就任式にゲストとして参加した。

40ウォール・ストリート|純資産価値:-3300万ドル(-8000万ドル)

利益は1年間で推定40%減少し、ほぼ期限切れの借地権の価値を8400万ドルにまで押し下げた。約1億1500万ドルの債務が今年7月に満期に。

文=ダン・アレキサンダー 翻訳=フォーブス ジャパン編集部 編集=森 裕子

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