ピーター・ティールも認めた若手起業家
当然ながらOwnerの収益も伸びており、ギルドは具体的な数値こそ明かさなかったが、現状で200人を雇用する同社の収益は「数千万ドル台」に達しているという。
2021年のフォーブス「30アンダー30」に選出され、ピーター・ティールの「テイール・フェロー」にも選ばれた経歴を持つギルドは、2018年に自身の母親が経営する犬のグルーミング店を支援するウェブサイトを立ち上げたことがきっかけで、当初は「Placeull」という社名でOwnerを創業した。そして、2年後の2020年にはマッチングアプリTinder(ティンダー)の創業者ショーン・ラッドや、イーロン・マスクの弟のキンバル・マスクなどのエンジェル投資家から数百万ドルのシード資金を調達した。
2024年1月のシリーズBで評価額が2億ドル(約290億円)に上昇したOwnerは、同年フォーブスの「ネクスト・ビリオンダラー・スタートアップ(次世代のユニコーン企業)」リストにも選出された。
Owner創業初期からの投資家であるジャック・アルトマンは、「この会社がうまくいっていることは以前から明らかで、今は加速して勢いがついている」と述べている。人材ソフトウェア企業Lattice(ラティス)の創業者で、サム・アルトマンの弟としても知られる彼は、2020年のシード段階から投資しており、すべてのラウンドに投資してきたという。
今回のラウンドには複数のエンジェル投資家も参加しており、Instacart(インスタカート)のCEOで最近OpenAI アプリケーション部門のCEOにも就任したフィジー・シモや、サラダ専門チェーンSweetgreen(スウィートグリーン)のCEOジョナサン・ニーマン、地中海料理チェーンCAVA(カヴァ)の共同創業者のブレット・シュルマンらが名を連ねている。
今回、OwnerのシリーズCの共同リードを務めたMeritech Capitalのゼネラルパートナーのアレックス・カーランドは以前、DoorDash(ドアダッシュ)にも出資していた。「レストラン業界ではクラウド時代にはToast(トースト)のPOSシステムが登場し、モバイル時代にはDoorDashが登場した。そしてAI時代には、Ownerが大きな成功を収めることになる」とカーランドは語った。


