以来、BINIはスターへの道を駆け上ってきた。昨年は欧州最大級の音楽賞「2024 MTV EMA」(ヨーロッパ・ミュージック・アワード)でベスト・アジア・アクト賞を受賞。ビルボード・コリアの創刊を記念して韓国・ソウルで開催されたイベント「Billboard K POWER 100」では、ボイス・オブ・アジア賞を受賞した。
複数のシングル曲がSpotifyで10億回再生を達成する中、今年3月にはビルボード・フィリピンがBINIを2025年のウーマン・オブ・ザ・イヤーに選出した。YouTubeでミュージックビデオの再生回数が最も多い『Pantropiko』(大まかな意味は「トロピカル」)は、4月末時点で1億500万回再生を記録。昨年リリースした『Salamin, Salamin』(タガログ語で「鏡よ、鏡」)は8400万回を超える再生回数を集めている。
オンラインでの存在感の確立も、グループの躍進に大きな役割を果たしている。「最初は視界にも入れてもらえていない感じでしたが、そのうち私たちのSNS投稿に世間の関心が集まりつつあることに気づきました」とMikhaは語る。風向きが変わったのは初アルバムのリリース後だ。
メンバーは日々の活動や気持ち、好きな食べ物(ペパロニピザ、グリーンマンゴーのバゴオン(アミエビの塩辛)添え、パンシットカントン(フィリピン風焼きそば)など)をSNSでシェアし、悪ふざけに興じる動画も投稿。SheenaがJhoannaとAiahにいたずら電話をかける動画は、YouTubeで240万回以上再生された。
特筆すべきは、彼女たちが自らの貧しい生い立ちや家族の苦労を包み隠さず語っていることだ。8人全員が地方の低・中所得家庭の出身で、2人は母子家庭で育ち、別の2人は父親が海外赴任をしていた。Gwenは過酷な日程を理由に一時活動を休み、Sheenaはトレーニング中に母親を亡くし、Jhoannaの祖父も他界した。
「SNSでは私たちのありのままの姿を見せています」とAiahは言う。「それがファンに愛してもらえている理由の1つでしょう」
4年前のファーストアルバムに続き、BINIは恋のときめきや愛、友情といったポップなテーマを詰め込んだアルバム1枚とミニアルバム2枚をリリースした。一方で、しなやかな生き方を歌った『Karera』(タガログ語で「競争」)のようなメッセージ性のある大人っぽいナンバーも収録しており、メンバーはさらなる進化を約束する。「私たちの楽曲はファンとともに進化していきます」とColetは語っている。
勢い増すK-POPグループ
今年の「30 UNDER 30 アジア」では、BINIがガールズグループ唯一のランクインとなった一方、K-POPからは2つのボーイズグループが名を連ねた。
8人組のStray Kids(ストレイキッズ)は、感性のままに生み出される一般的なK-POPサウンドよりもノイジーでインダストリアルなロックヒットで、世界的な人気を博している。
2017年にリアリティ番組を通じて結成され、翌2018年にミニアルバム『I am Not』でメジャーデビューすると、すぐさまプラチナ・ディスクを獲得。4年後の2022年には、ミニアルバム『ODDINARY』が全米アルバムチャートのビルボード200で1位を記録し、BTSとSuperMに続くK-POPボーイズグループ3組目の快挙を成し遂げた。2023年に米タイム誌の「次世代のリーダー(Next Generation Leaders)」に選ばれ、2024年には米3大音楽賞の1つ、アメリカン・ミュージック・アワードの授賞式でパフォーマンスを披露した。


