食&酒

2025.05.23 12:15

日本茶は世代にかかわらず人気、急須の利用は……

「クロス・マーケティング 」プレスリリースより

「クロス・マーケティング 」プレスリリースより

新茶の季節が訪れるなか、日常の飲み物として「日本茶」が改めて注目されている。株式会社クロス・マーケティングが全国20~69歳を対象に実施した「日本茶に関する調査(2025年)」によると、日本茶を「とても好き」「やや好き」と答えた人は全体の約8割にのぼった。


■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(クロス・マーケティング セルフ型アンケートツール「QiQUMO」使用)
調査地域:全国47都道府県
調査対象:20~69歳の男女
調査期間:2025年4月25日(金)~27日(日)
有効回答数:本調査1100サンプル
※調査結果は端数処理のため構成比が100%にならない場合あり。

20代も7割超が「日本茶は好き」と支持

特に60代では「急須で茶葉を淹れる」割合が高く、日本茶が長年親しまれてきたことがうかがえる。だが、現在主流なのは「ペットボトルのお茶」や「ティーバッグ」であり、「茶葉から淹れる」スタイルは若年層ほど少ない。

一方、20代でも7割が「日本茶が好き」と回答しており、特に「緑茶(玉露)」を好むのは20~30代に多いという結果も出ている。日本茶は、若者にとっても「懐かしさ」よりむしろ「新しさ」で選ばれる存在になっているのかもしれない。

茶葉選びにも「自分らしさ」

購入時に重視するポイントでは、「定番でいつも買っている銘柄」が最多。次いで「容量が大きくてお得」「少量でもおいしい高品質なもの」など、コストパフォーマンスと味の両立を求める声が多い。

また20代では「パッケージにチャックがついている」こと、60代では「有名産地であること」が重視されるなど、世代ごとの価値観の違いも見られた。

健康にいいから、飲む

日本茶に対する印象は「カテキンがとれて体にいい」「食事の時に欠かせない」「甘くないのでいつでも飲める」など、健康面や日常性への評価が高い。

筆者自身も歯科医から「日本茶には天然のフッ素が含まれている」と勧められた経験がある。緑茶には確かにフッ化物が微量ながら含まれており、抗菌・殺菌作用のあるカテキンとの相乗効果で虫歯予防が期待できるという研究報告もある。まさに「飲むだけで健康」を体現する国産の飲み物といえる。

急須で入れるひと手間が心の余白にも

ここ数年、コーヒー豆の価格高騰が続き、自宅での「一杯」にもコストを意識する人が増えている。そんな中、日本茶は国内生産が中心で価格も安定、健康効果も期待されることから、次なる「定番の一杯」として選ばれる可能性がある。実は筆者もそのひとりだ。

急須を使ってゆっくりお茶を淹れるーー手間のかかる行為のようで、実は時間と心の余白を取り戻す行為でもある。コーヒーを淹れる手間とほとんど変わらないのに、なぜかこれまで急須で淹れる日本茶の方が「面倒だ」と思われる節があった。コーヒー、紅茶、日本茶、どれも嗜好に合わせて選べばいいとは思うが、急須で淹れるお茶を味わう文化をもっと日常に取り戻しても良いのではないだろうか。


プレスリリース

文=福島はるみ

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