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2025.05.19 17:00

新CEOの4割が就任1年半以内につまずく、アップルとグーグルに学ぶ事業継承のコツ

Andrii Iemelyanenko / Getty Images

創業者から経営を任されるCEOへのヒント

新リーダーがどのような人であれ、経営トップとして落ち着くまでは基本的に7つの段階を経る。まず自分の存在を認知してもらい、強みをアピールする。それからオファーを吟味し、就任前に準備する。そして組織になじむのを待って新しい試みを行い、徐々に調整していく。創業者から経営のバトンを受けるCEOは、組織になじんで徐々に本領を発揮する間、フォーカスすることと信頼の構築により注意を払うべきだ。

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1. フォーカス:組織の使命と現在のカルチャー、そして特に組織が重点を置くもの(デザインや生産、配送・流通、サービスなど)について、創業者と方向性を一致させる

組織が最も重視する使命はおそらく変わってはならない。同様に、重点を置くものや根幹となる価値観も、組織の理念かつ存在意義であるため変えてはならない。

その一方で、世界の変化に応じて戦略を進化させなければならない。そして、組織も戦略に合わせて進化しなければならない。

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2. 信頼:創業者やその他の主要な関係者との関係や信頼の構築に十分すぎるほどに注力する。より透明性を高め、協働に力を入れる。そしてふたつの点で信頼を得られるようにする。ひとつは他者の利益を最優先すること、ふたつめは自分がやると言ったことをやり遂げることだ

役割や遂行責任、説明責任を明確にすることも新CEOの任務のひとつだ。各リーダー独自の強みを生かす形で責任を分担する。新CEOは創業者ができないこと、あるいはやらないと選択したことをやるために引き入れられる。新CEOは自身と創業者がそれぞれに行うべきこと、一緒に行うべきこと、あるいはまったく行わないことを素早く明確にする必要がある。

新CEO、そして創業者や取締役会の移譲の仕方が信頼を築く。鼓舞するに方向性を示し、リソースを用意し、また権限を与え、説明責任を果たすことなどが最良の移譲となる。

組織になじみ、創業者と連携を取るには自分を環境に合わせることだ。それをうまくやることが、やるべきことをやり遂げるために不可欠な土台となる。そして、組織内のあらゆる人と関係を構築することで、従業員らが目にしている世界の変化が新CEOの耳に届くようになり、対応できるようになる。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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