3. 神秘的とも思える直感、洞察力
2016年、心理学系学術誌「Frontiers in Psychology」に掲載された論文では、「直感」と「洞察」の違いが次のように定義されている──「直感」とは経験をもとに、明確な理論なしに答えが導き出されることを指す。一方「洞察」とは、さまざまな要素の関連性を考察することでもたらされる新たな気づきだ。
HSPには情報を注意深く考察する能力に根差した直感力がある。この直感力によって、他の人が見落としがちな要素の関連性も発見できる。
HSPの神秘的とも思える直感力は、脳がさまざまな情報と感情的な文脈を緻密に解析した結果だ。微妙な違和感を察知し、物事の展開を予測する力はHSPならではの強みである。
よって、直感だけで判断する人や論理だけに頼る人とは異なり、HSPは感覚と経験に基づく洞察、そして理論を融合させた、より包括的かつ繊細な意思決定を行うことができる。
リーダーの役割を担う場合には、HSPは予測力と共感力を組み合わせて舵を取る。問題が深刻化する前に根本原因を見つけ出し、すべての関係者のニーズを踏まえた解決策を提示するのがHSPの得意技だ。
このような洞察力をもって、HSPはさまざまな分野でコンサルタントやアドバイザーとして、また、プライベートな人間関係でも良き相談相手として頼られる存在になる。HSPは実務的な視点と感情的な配慮をバランス良く融合させられるため、その助言は効果的かつ長期的な影響にも配慮したものとなる。
もしこれを読んでいるあなたがHSPなら、あなたには人生をより深く、より鮮やかに体験する力が生まれながらに備わっている。繊細さや敏感さはときに誤解されることもあるが、正しく理解すれば、そのかけがえのない才能をどのように生かすかという視点で生きられるようになるだろう。
「私もHSPかもしれない……」と思ったら、科学的根拠に基づいた「HSP診断テスト」で確認してみよう。


