北米

2025.05.17 09:00

スーパーサイズ・ミー! トランプが「ジャンボジェット」を欲しがるワケ

トランプ米大統領の所有するボーイング757-200型機。2022年11月13日、米フロリダ州ウェストパームビーチ(Markus Mainka / Shutterstock.com)

「ギャレー(機内調理室)にオレオ用のスペースを、と注文されたんです」とロスは笑う。「私は確認しました。『トランプさん、本気ですか』って。すると彼はこう答えました。『私はオレオが大好きなんだよ』と」

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トランプはこの757をいまも所有している。1期目の任期中はエアフォース・ワン(大統領専用機)を使用していたが、退任後はこの757をさらに改装し、尾翼にでかでかと米国旗を描くなど派手な装飾を加えた。

支持者の間で「トランプフォース・ワン」と呼ばれることもあるこの機体は、2024年の大統領選で「ドル箱」にもなった。トランプがこの飛行機で全米を飛び回ったことで、陣営は寄付金から500万ドル(約7億3000万円)超をトランプの事業に流した。

トルコ大統領とおそろいに?

一方、カタールでは、指導者たちが3機保有するボーイング747のうち2機を手放そうとしていた。カタール側から売却での助力を依頼された前出のシリマンによれば、両ジャンボジェット機はいずれも2億ドル(約290億円)で購入され、さらに2億ドル以上をかけてVIP仕様に改装されたという。

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大金が注がれているだけに機体は非常に良好な状態に保たれ、内装もトランプの興味を引きそうなものだった。金の使用は少し控えめなものの、クリーム色を基調に、ところどころに木材も配されている。

2018年、カタールはうち1機をトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に寄贈した。この機体は専用バスルーム付きフルベッドルーム2室、ギャレー3室、オフィス1室、複数のラウンジを備えていた。

「2機目は使われないまま、売却を待つだけの状態でした」とシリマンは説明する。カタール側は2億7500万ドル(約400億円)での売却を希望していたといい、「私は各2億ドル前後の提案を2件持ち込んだのですが、どちらも断られました」

その後、カタールはもっと価値があるかもしれない別のプランを思いついた。「彼らはこの機体に維持費をかけ続けるくらいなら、トランプに贈呈したほうが得策だと判断したのです」

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forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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