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2025.05.17 10:30

約87兆円の投資を掴んだ「トランプの中東歴訪」、勝者となった米国株は?

Win McNamee/Getty Images

Win McNamee/Getty Images

エヌビディア、アルファベット、アマゾンなどの主要米国株は、ドナルド・トランプ米大統領の4日間の中東歴訪の中で上昇した。今回の訪問は米国時間5月15日に終了し、トランプ大統領は、防衛、航空、AI業界を強化する数千億ドル相当の対米投資を発表した。しかし、歴訪下における主要米国株の上昇は、15日の取引における下落によって多少打ち消された。

トランプ中東歴訪における米国主要株の動き

スーパー・マイクロ・コンピューター:13日にサウジアラビアのデータセンター企業、DataVoltと200億ドル(約2兆9000億円)規模の提携に合意した後、同社の株価は直近2営業日で30.6%近く上昇した。

エヌビディア:エヌビディアの株価は15日に0.5%上昇した。サウジアラビア政府が支援するHumainに1万8000個のAIチップを供給する契約を発表した後、同社の株価は13日と14日の取引で約11%上昇していた。

AMD:同社は、AIデータセンター向けにチップとソフトウェアを供給する、サウジアラビアとの100億ドル(約1兆4500億円)規模のプロジェクトを13日に発表し、過去2日間で7.4%急騰した。しかしAMDの株価は、15日の取引では1%以上下落した。

パランティア:今週開催されたサウジアラビア・米国投資フォーラムに出席した米国企業の1社であるパランティアの株価は、13日と14日の取引で約10%上昇した後、15日の取引では1%近く下落した。

ボーイング:同社は14日、カタール航空に210機のジェット機を供給する960億ドル(約13兆9300億円)規模の契約を発表し、52週ぶりの高値をつけた。

アルファベット:グーグルの親会社であるアルファベットは、オラクル、セールスフォース、AMDなどとともに、サウジアラビアと米国で「最先端のトランスフォーマティブテクノロジー」を開発するために800億ドル(約11兆6100億円)を投資することを、米政府が13日に発表した。それを受け、同社の株価は14日の取引で約3.5%上昇したのち、15日の取引では小幅に下落した。

アマゾン:同社の株価は、サウジアラビアで「AIゾーン」を開発するために50億ドル(約7300億円)の提携を発表した後、13日の取引で約1.3%上昇した。しかし、14日には約0.5%の下落、15日には約2.3%の下落となった。

テスラ:イーロン・マスクCEOは、中東でトランプ大統領に同行した億万長者の1人で、この動きによりテスラの株価は13日、14日の取引で合計約8.6%上昇したが、15日の取引では1%弱の下落となった。

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翻訳=江津拓哉

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