カルチャー

2025.05.29 14:15

日本在住16年のアメリカ人が「母国に帰りたくない」理由

「やなっちチャンネル」より

「サンドイッチ食べたいです」「きゅうり大っ嫌い」——日常会話は大学ではなく日本語学校で

やな:今、日本に来て何年目でしたっけ?

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ニック:16年です。もう、めちゃくちゃ長い。

やな:大先輩。

ニック:やなのすごいところは、日本語がめちゃめちゃ上手いところ。俺、日本語はあんましゃべれなかったの。ゼロじゃないんだけど、でも、専攻は歴史とか文化などだったので、日常的な日本語は日本語学校に入って勉強しました。「私はニックです」「コカコーラが好きです」「サンドイッチ食べたいです」「きゅうり大っ嫌い、大っ嫌い」とか。

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やな:日本が好きで、興味を持ち始めたとしても、なかなか16年間も残る人は少ないなか、なんでこんなに長く日本にいようと思ったの。

ニック:まずは「安全」だね。俺、カリフォルニア出身なんだけど、カリフォルニアは今、すごい汚いの。あとは治安が悪い。まあカリフォルニアにも、いいとこもあるけれど。

やな:ビーチが素敵だったりとかね。

ニック:ビーチは素敵なんだけど、ホームレスがめっちゃ多いの。で、カリフォルニアではけっこう大問題になっているの。あとホームレスがいるとドラッグとか——。帰りたいと思わない。俺の親もね。何回も日本に来て、日本の方がいいって毎回言いますね。

やな:じゃあ親も、いつか日本に来るかもしれない?

ニック:そう、俺のママはたぶん、できたら日本に住みたいと思ってると思う。

「安全」は黄金のメリット

やな:やっぱり、住むとなると治安は大事だよね。

ニック:大事。だって日本はどこでも歩けるでしょう? 俺、アメリカに帰ると疲れるの。歩きながらも気をつけなきゃいけないとか、そういうことにね。

やな:ずっと気を張らなきゃいけないみたいな?

ニック:そう、そういう「ドキドキ」には飽きた、俺は。暴力とか、強盗とか。スリだったらまだいいんだけど。

日本は歌舞伎町でもけっこう安全でしょう?

やな:うん、比較的。

ニック:日本人の友だちからはね、「それでも、日本でも危ない地域はあるよ」と言われたこともあるけど、俺からするとまだまだぜんぜん、安全。俺の住んでたアメリカの町は、夜、歩いたらもう90%ボコボコにされるか、強盗されるか、という感じだから。

アメリカの文化もすごく好きなんだけれどね。——とりあえずもう俺ね、人生の半分は日本で暮らしている感覚です。「Almost half of my life」。人生の半分くらい。「Almost」だけどね。

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構成=石井節子

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