宇宙

2025.05.17 12:00

OpenAIサム・アルトマンが語る電力問題の解決法「ダイソン球と光円錐」とは

恒星を取り巻く構造物「ダイソン球」を描いた想像図(Getty Images)

だが、2023年の時点で、この方法で地球に電力を伝送する、この種のものとしては初の実験が成功を収めている。米カリフォルニア工科大学(Caltech)が開発した無線電力伝送器MAPLE(Microwave Array for Power-transfer Low-orbit Experiment)だ。

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この宇宙太陽光発電プロジェクト(SSPP)の共同ディレクターを務めるアリ・ハジミリは、報道声明で「現在知られている限り、宇宙空間での無線電力伝送は、高価な剛性構造を用いてさえも、これまで誰も実証に成功していなかった」として「今回の実験では、柔軟性のある軽量の構造と、独自開発の集積回路を用いて無線電力伝送を行っている。これは初めてのことだ」と述べている。

これにより、ダイソン球は実現に向けて一歩前進したわけだ。

宇宙の巨大さ

「光円錐」は、地球から発せられる光がたどり着ける広大な範囲を表す専門用語だ。すなわち、もし恒星を取り巻くダイソン球の建造が可能ならば、光円錐の内部ならどこにでも建造できると考えられる。

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四次元時空における「光円錐」を描いたイラスト(K. Aainsqatsi at en.wikipedia CC BY-SA 3.0)
四次元時空における「光円錐」を描いたイラスト(K. Aainsqatsi at en.wikipedia CC BY-SA 3.0)

そうだとすると、これを「植民地」と呼べるかもしれない。自然の産物、この場合は恒星のエネルギーをここで収穫するからだ。

OpenAIのトップやその他の先駆的な革新者たちが、この種の宇宙開発や電力捕捉についてどのように話題にしているかを今後、耳にする機会が増えるに違いない。

一方で、アルトマンとそのチームは、データセンターや大規模言語モデル(LLM)を運用するための大量の電力を供給する代替手段として、核融合の実現に向けた取り組みに携わっている。

深宇宙は今後10年間、企業と政府にとっての焦点となる可能性が高い。引き続き注目したい。

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人類より進んだ地球外文明のエネルギー源「ダイソン球」探査の恩恵

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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