健康

2025.06.03 14:15

科学者が4.4万人の採血データ35年間追跡──壮年期の血液から寿命はわかるか

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何がわかったか?

100歳に達した人々は、60代以降において血糖値、クレアチニン、尿酸の値が低めである傾向が見られた。中央値に大きな差はなかったが、100歳に達した者らはこれらの数値において、極端に高いまたは低い値を示すことが少なかった。

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たとえば、100歳に達していて、生涯を通じて血糖値が6.5を超えていた人や、クレアチニンが125を超えていた者はごくわずかだった。

多くのバイオマーカーで、100歳に達した者も達さなかった者も臨床基準から外れた値を示していた。これは、基準値が若年で健康な集団を元に設定されているためと考えられる。

どのバイオマーカーが100歳に到達する確率と関係しているかを調べたところ、12種のうちALT(Alat)とアルブミンを除くすべてに相関があった。年齢・性別・疾患の影響を除外してもその傾向は変わらなかった。

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総コレステロールや鉄の値が最も低いグループは、他よりも100歳に到達する確率が低かった。一方で、血糖値、クレアチニン、尿酸、肝機能マーカーの値が高い人も、長寿の可能性が下がっていた。

バイオマーカーによっては差は小さいが、なかには比較的顕著なものもあった。

たとえば尿酸の場合、差は2.5%ポイント。尿酸が最も低いグループは100歳まで生きる確率が4%だったのに対し、高いグループでは1.5%にとどまった。

発見された差は全体的には小さいが、代謝の健康や栄養状態と長寿との間に関連がある可能性を示している。

今回の研究だけでは、どの生活習慣や遺伝子がバイオマーカーに影響しているかは特定できない。だが、栄養や飲酒などの影響は大きいと考えるのが合理的だ。年齢とともに、腎臓・肝臓の数値や血糖値、尿酸値を把握しておくことは大切だろう。

とはいえ、きわだった長寿には偶然の要素もある。ただ、死亡するずっと前の年齢からバイオマーカーに違いが出ていることを考えると、遺伝と生活習慣もまた大きな役割を果たしていると推測できるだろう。

※本稿はhttps://link.springer.com/article/10.1007/s11357-023-00936-wの記事を元にしたhttps://www.sciencealert.com/the-blood-of-exceptionally-long-lived-people-suggests-crucial-differencesを翻訳したものである

翻訳=坂口オスウェル大芽 編集=石井節子

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