Z世代はニッチビジネスに注目?
一方、リストのほかの動向としては、Z世代が「大きくやるか、さもなくば撤退か」という従来のスローガンから離れ、地元顧客を狙ったニッチビジネスを構築している姿が挙げられる。ヘアケアからアクティブウェア、クラフト飲料まで、自国産の製品やサービスに対する需要が高まる傾向を捉えているのだ。
たとえば姉妹であるレーナ・アンバニ(24歳)とラヒ・アンバニ(28歳)は、2023年にムンバイでアクティブウェア企業Terractive(テラクティブ)を創業し、冷却効果と防臭機能を兼ね備えた革新的なスポーツウェアを提供している。昨年12月、TerractiveはFireside Ventures(ファイアサイド・ベンチャーズ)とDeVC(ディーヴィーシー)が主導するプレシリーズAラウンドで8000万ルピー(約1億3600万円)を調達した。
自身のカーリーヘアをケアするインド製の製品を求めたことがきっかけで、アンシタ・メヘロトラはニッチなヘアケアブランドを立ち上げ、この6年間で事業を拡大してきた。
グルガオンに拠点を置くFix My Curls(フィックス・マイ・カールズ)はシャンプーやコンディショナー、ジェルなどを取りそろえ、これまで10か国以上で合計50万件超の注文を出荷している。自社サイトだけでなく、アマゾンやNykaa(ナイカ)といった美容小売サイトでも取り扱う。同社はAmazon Sambhav Venture Fund(アマゾン・サンバヴ・ベンチャー・ファンド、ASVF)が主導するシードラウンドで91万ドル(約1億3200万円)を調達した。メヘロトラは「このビジネスには途方もない可能性があります」と語る。
また、オーストラリアでは26歳のアナベル・ヘイが2016年、シドニーのナイトクラブでの衣装トラブルを機に数百万ドル(数億円)規模のビジネスを築いた。2022年に設立されたClutch Glue(クラッチ・グルー)は、ヘイが4年かけて開発したファッションテープの液体代替品である。2024年11月、同社はBlackbird(ブラックバード)が主導するプレシードラウンドで140万オーストラリアドル(約1億3000万円)を調達した。


