コープケージがドローンにも装着されるようになったのは、昨年以降、迎撃ドローンの使用が増えてきたことを受けたものと考えられる。迎撃ドローンは双方が開発し、実戦に投入している。搭載する散弾銃を敵ドローンに放つものもあれば、敵ドローンに接触して爆発するものもある。たんに体当たりするだけのものも少なくなく、この場合、迎撃ドローンを再利用できる可能性も少しはあるかもしれない。
Russian marines are reportedly using the new drone interceptor at the front. https://t.co/xxmRzxS8cf pic.twitter.com/s20YfbAvtW
— Samuel Bendett (@sambendett) April 10, 2025
ドローンによるドローンの迎撃は操縦士にとって骨の折れる任務だ。ドローンは小さく、機敏で、見つけるのが難しいこともあるからだ。ウクライナ軍で迎撃ドローンによる戦闘に従事しているカナダ人ドローン操縦士、コールサイン「ミャスニク(屠殺人)」はフォーブスの寄稿者デービッド・ハンブリングに、「目標を視認し、照準を合わせるのは本当にとても難しいんです」と語っている。
それでも、いったん迎撃ドローンが敵ドローンを捉えれば、撃墜率は「ざっと75%」(ミャスニク)に達するという。ロシア軍のドローンには後方カメラや、回避機動を自動で作動させるシステムを搭載したものもあるが、大半は上方や後方からの体当たりに対して無防備だ。
粗雑なケージであっても、直接の衝撃からドローンをある程度守れるかもしれない。ただし代償もある。映像で確認されたコープケージ付きドローンの本体は、中国DJI製のクワッドコプター(回転翼4つのドローン)「Mavic(マビック)」とされるが、このドローンのペイロード(搭載可能重量)はせいぜい数百gだ。
このドローンが背負っているバーベキュー用の金網のような金属製の覆いは、ご想像のとおり200〜300gはあるだろう。つまり、このMavicは多少の防護を得られる半面、そのままでは偵察任務や攻撃任務を遂行できない可能性がある。
とはいえ、車両用のコープケージが急速に進化してきたことを踏まえれば、ドローン用の防護物もまた、素材の軽量化や形状の改良といった進化を短期間のうちに重ねていくと予想される。今後、ウクライナの上空に、対ドローンケージを備えたドローンが増えていっても驚かないでほしい。