トランプの3つの「新ビジネス」
トランプはここ10年以上にわたって、自身の選挙活動や大統領職を通じて利益を得てきたが、近年はその規模が爆発的に拡大し、再び注目を集めている。2期目のトランプは、自身のSNSを運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)に加え、暗号資産事業のワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)、さらにはミームコインの「$TRUMP」といった3つの取り組みを通じて、支持者がトランプ・ブランドの事業に出資する機会を提供している。しかし、その見返りをほとんど与えていない。
トランプは、長男のトランプ・ジュニアの出版社から出した2冊の著書からも、少なくとも675万ドル(約9億8000万円)を得ている。これらの書籍は、いずれも公的資料や借用コンテンツを多用したものだ。2021年に刊行された『Our Journey Together(私たちの旅)』はホワイトハウスのパブリックドメイン画像を中心とした写真集で、2023年刊行の『Letters to Trump(トランプへの手紙)』は著名人や各国首脳との数十年間にわたる書簡を収めたものだ。
フォーブスは、ドナルド・トランプの保有資産を約55億ドル(約7975億円)と推定している。その多くはTMTGの株式の持ち分によるものだ。


