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2025.05.21 16:45

絶滅危惧イヌワシから地方創生を みなかみ町のブランド間伐材とは

プレスリリースより

プレスリリースより

イヌワシが生息する群馬県みなかみ町は、イヌワシが飛び回れるように国有林である赤谷の森の環境整備を行っているが、その過程で間伐された木材をイヌワシの保護と地域の活性化に役立てようと2023年に「赤谷プロジェクト」を発足。間伐材を「イヌワシ木材」とブランド化して販路の拡大を目指している。このほど赤谷プロジェクトは、情報発信の場としてイヌワシ木材公式ウェブサイトを立ち上げた。

イヌワシ木材公式ウェブサイトより
イヌワシ木材公式ウェブサイトより

翼を広げると2メートルを超えるものもある大型の猛禽類イヌワシは国の天然記念物に指定されているが、国内の生息数はおよそ500羽にまで減少し絶滅危惧種となっている。そのうちの1つがいが暮らしているのが赤谷の森だ。

イヌワシは野ウサギなどの小動物を捕って生きているが、木が密集した人工林では翼を広げて自由に飛びまわり獲物を狩ることができない。そのため、赤谷プロジェクトは人工林を自然林に復元してイヌワシの狩り場を整備する事業を進めてきた。ところが切り出された間伐材を山奥から搬出するのが難しく、木材用に育てられたわけではないので曲がりや反りがあって加工が難しいなどの問題が多く、材木として売ることができずウッドチップや薪にされていた。

そこで、みなかみ町の人たちは「イヌワシのために伐り出された木材」というストーリーを込めたブランディングを立案し、「イヌワシ木材」として売り込みをかけた。昨年には上越新幹線上毛高原駅にイヌワシストアを開業し、イヌワシ木材で作った店内什器を配置し、イヌワシ木材ブランドのオリジナル製品の販売などを行っている。

赤谷プロジェクトは、今後、イヌワシ木材を建築資材として普及させ、同時にオリジナル家具の展開も進めていくということだ。イヌワシ木材の公式ウェブサイトはこちら

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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