働き方の多様化や価値観の変容が進んでいる現在、世代間における仕事への向き合い方や上司・部下の関係性について、さまざまな意見が飛び交っている。特にハラスメントへの意識の高まりを背景に、かつては当たり前だった慣習が見直される中で、昭和世代の上司と令和世代の部下の間で、働くことに関する本音や価値観の違いが顕在化している。JobQ Townは20〜50代の男女を対象に「本当にいた怖い上司」に関する調査を行なった。
昔は存在した「怖い上司」、振りかざす根性論の功罪
今回の調査では、30代から50代の100.0%が今では考えられないような「怖い上司がいた」と回答。彼らが経験した「昭和あるある」とも言える体験談の中には、以下のエピソードがあった。
・帰宅しようとしたら「ノルマクリアしてないのに帰るのか!」と上司に怒られた
・「やる気がないようだから別の人に任せる」と言われ業務を外されかけた
・毎晩、上司の昔の武勇伝や根性論に付き合わされていた
・コストダウンの折衝の際に根性論で何とかしろと言われた
これらのエピソードに対して、20代はどのような価値観を持っているのだろうか。特に昭和の代名詞ともされる「根性論」について、30代以降が疑問に思っていた「根性は、成果や成長に繋がりやすいと思うか」という問いに対して、20代の71.8%が「成長に繋がりやすいと思う」と回答している。

根性論に対して7割の20代が、
・粘り強さが求められる場面では、根性が突破口となり成功を引き寄せる原動力になる
・上司から信頼を得るためには下積みも必要だと思う。望まない仕事もこなせる根性がないと成果が出ない
・根性があることで、壁にぶつかった時にも乗り越えようとする力になるので、成長につながると思う
といった前向きな考えを持っているようだ。
ハラスメントの境界線に対する20代の意見は真っ二つ
一方、根性論と背中合わせなこともある「ハラスメント」について、20代はまた違う考え方をしているようだ。
30代以降が体験した「帰宅しようとしたらノルマをクリアしてないのに帰るのかと上司に怒られた」ことに対する20代の意見は、「ハラスメントだと思う派」が50.3%、「ハラスメントだと思わない派」が49.7%と、意見がほぼ二分する結果となった。

ハラスメントだと思う派からは「定時に帰らせない、つまり業務時間外に仕事を『強制』していたらハラスメントだと思う」「追い詰められて私生活に影響してしまうのであればそれはハラスメント」といった意見が出た。
一方、ハラスメントだと思わない派からは、「若手が成長するには上司の厳しい姿勢も大切。成果を約束する場合上司として必要な声かけだと思う」「会社に貢献する一員として仕事を成してないため指摘されるのも無理はない」といった意見が寄せられている。ハラスメントだと感じ取るか、それとも指導だと受け止めるかは、個人の価値観や状況によって異なっていることがわかる。