さまざまな領域で活躍している、時代をつくる50歳以上の50人の女性たち。彼女たちの「現在・過去・未来」に注目することにより、多様で多彩なロールモデルが見えてくる。
『Forbes JAPAN』では2025年から、米『Forbes』注目企画のひとつである「50 OVER 50」日本版を開始する。日本版では、「多様で多彩な女性たちの過去・現在・未来」をコンセプトに、自分らしく働く50歳以上の女性たちにフォーカス。経済、文化、アカデミアなど多方面で「自分らしい活躍」をしている先輩女性の姿を通して、ひと世代下の女性たちをエンパワーメントし、この先、20年、30年と働き、生きていく人々にとってのヒントとなることを目指す企画だ。今回、米『Forbes』『Forbes Asia』の同企画で選出された方々をまず選出。さらに、推薦人からの推薦や過去の取材をもとに編集部で、「時代をつくる『50歳以上の女性50人』」を選出した。
襟川恵子|コーエーテクモホールディングス 代表取締役会長

多摩美術大学デザイン学部卒業後、夫・襟川陽一と光栄(現コーエーテクモゲームス)を設立。40年で業界を代表する大企業へと育て上げた。現在は、持ち株会社として東証プライムに上場するコーエーテクモホールディングスの代表取締役会長。会社経営の傍ら、「アンジェリーク」などネオロマンスゲームシリーズの制作を指揮し、世界初の女性向けゲームのジャンルを開拓。長年にわたりゲームソフトの著作権保護と業界の国際的な発展のために活動し、7つの社団法人や公益法人を設立。ソフトバンク・グループ社外取締役。2015年に藍綬褒章受章。『ForbesAsia』の「50 OVER 50: ASIA 2022」選出。
今井浩恵|シロ代表取締役会長/ブランドプロデューサー
ローレル入社後、2000年同社代表取締役社長就任。09年ブランド「LAUREL」設立。15年ブランド名を「shiro」へ変更。19年ブランド設立10周年を迎え、社名をシロ、ロゴを「SHIRO」に変更。21年より現職。23年4月創業地・北海道砂川市に循環型施設「みんなの工場」をオープン。 一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO」も北海道長沼町に着工し、地方創生にも貢献。
今田素子|メディアジーン代表取締役CEO/ 共同創業者
出版業界編集・発行などにかかわった後、1994年『WIRED』日本版の立ち上げおよびビジネス・マネージャーを務める。98年メディアジーンを創業し。2015年にはインフォバーンを新設分業により設立。『Business Insider Japan』『ギズモード・ジャパン』など17のブランドを運営。23年にTNLメディアジーンを共同創業、COOおよび社長に就任。24年12月、米国NASDAQに上場。
小野真紀子|サントリー食品インターナショナル 代表取締役社長
1982年サントリー入社。国際開発部で M&Aを担当し、ワイナリー買収などに携わる。2001年ハーゲンダッツ、15年グローバル人事部を経て、20年Orangina Suntory France(現サントリー食品フランス)CEO、22年にサントリーホールディングスにてサステナビリティ経営推進。23年サントリー食品インターナショナル社長に就任。『Forbes Asia』「50 OVER 50: ASIA 2024」選出。
工藤禎子|三井住友銀行副頭取/三井住友フィナン シャルグループ副社長 グループCCO
慶應義塾大経済学部を卒業後、女性総合職1期生として1987年に住友銀行(現・三井住友銀行)に入行。プロジェクトファイナンスなど海外の大型事業融資に携わり、2014年三井住友銀行初の女性役員に就任。21 年3月同取締役兼専務執行役員、24年4月三井住友フィナンシャルグループ取締役執行役副社長 グループCCO、三井住友銀行取締役兼副頭取執行役員。3大メガバンク初の女性副頭取。
小巻亜矢|サンリオエンターテイメント 代表取締役社長
1983年にサンリオ入社。結婚を機に退職。11年間の専業主婦からの化粧品販売員などを経て2002年にサンリオ関連会社に復帰。働きながら大学院へ進学し13年に東 京大学大学院教育学研究科修士課程修了。14年サンリオエンターテイメント顧問、16年サンリオピューロランド館長。同館のV字回復をけん引。19年6月から現職。子宮頸がん予防啓発活動「Hellosmile」委員長などを務める。
篠田真貴子|エール取締役
日本長期信用銀行、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ノバルティスファーマ、ネスレを経て、2008-18年ほぼ日取締役CFO。退任後「ジョブレス」期間を約1年設けた。20年3月エールに参画、現職。慶應義塾 大学経済学部卒、米ペンシルベニア大学ウォートン校MBA、ジョンズ・ホプキンス大学国際関係論修士。メルカリ社外取締役。人と組織の関係や女性活躍に関心を寄せ続ける。
鳥取三津子|日本航空代表取締役社長執行役員 グループCEO
活水女子短期大学英文科卒業後、東亜国内航空(後の日本エアシステム=JAS)に客室乗務員(CA)として入社。2004年、JAL・JAS経営統合。19年客室安全推進部長、20年執行役員客室本部長、22年常務執行役員、23年代表取締役専務執行役員 グループCCO(チーフ・カスタマー・オフィサー)を経て、24年4月社長に就任。CA出身、同社初の女性社長という新たなキャリア像を描いている。
茅野みつる|伊藤忠商事常務執行役員
スミス・カレッジ卒業(BA cum laude)、コーネル・ロースクール修了(JD)。カリフォルニア州弁護士。国際法律事務所のパートナーを経て、2000年伊藤忠商事に入社。13年に大手総合商社初の女性執行役員に就任、同年、伊藤忠商事法務部長に就任。伊藤忠米国法人(伊藤忠インターナショナル会社)社長兼CEO、伊藤忠商事常勤監査役を経て、23年4月より現職。
次原悦子|サニーサイドアップグループ代表取締役
10代で現サニーサイドアップグループを 創業。企業、自治体などのPR・コミュニケーションのほか、中田英寿らトップアスリートのマネジメントも手がけ、2008年ジャスダック上場、18年東証1部上場(現在はスタンダード市場)。国際PR協会会長(2022年度)。経団連審議員会副議長・ダイバーシティ推進委員会委員長として30年までに企業の役員に占める女性比率を30%以上にすることを目指す。