経営・戦略

2025.05.14 15:00

ベトナム一の富豪の「リゾート企業」が上場、時価総額8700億円に

ベトナム・ニャチャンにあるVinpearlのリゾートホテル(Sing Studio / Shutterstock.com)

ベトナム・ニャチャンにあるVinpearlのリゾートホテル(Sing Studio / Shutterstock.com)

ベトナムで最も裕福な人物であるファム・ニャット・ブオン(56)が率いるコングロマリットVingroup(ビングループ)のリゾート部門Vinpearl(ビンパール)が5月13日、ホーチミン証券取引所に上場した。同社の株価は上場初日に急騰して時価総額は153.3兆ドン(約8740億円。1ドン=約0.0057円換算)に到達。ベトナムで最大規模の上場企業のひとつに躍り出た。

ビンパールはこの新規株式公開(IPO)において1株あたり7万1300ドン(約406円)で17億9000万株を公開し、投資家から高い支持を得た。株価は、20%上昇して規制当局が定める上限の8万5500ドン(約487円)を記録した。

ベトナム国内の観光ブームの恩恵を受けるビンパールは投資家向け資料によれば、2024年に前年比約280%増の2兆6000億ドン(約148億円)の純利益を記録し、売上高も55%増の14兆4000億ドン(約821億円)に達していた。

2001年に設立されたビンパールは現在、30軒を超えるホテルとリゾート施設を展開中で、ハロン湾やダナン、ホーチミン市などの人気の観光スポットに合計1万6000室以上の客室を保有している。

フォーブスは、ビングループを率いるファムの現在の保有資産を91億ドル(約1兆3500億円)と推定している。彼は、1993年にウクライナでインスタントラーメンの製造と販売を手掛ける食品会社を立ち上げて財を成し、2000年にベトナムに凱旋した。

そして、2010年にこの食品会社をネスレに売却し、そこから得た資金でビングループを設立。同グループはそれ以来、不動産や小売業、ヘルスケア、教育、自動車、テクノロジーなどのさまざまな分野の事業を手掛けるコングロマリットに成長した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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