重要な戦略的軸足を示す動きとして、マイクロソフトは米国時間5月13日、従業員総数の約3%に相当する約7000人の人員削減を発表した。このようなニュースは、AIによる自動化や、それによる雇用の減少に関する懸念を引き起こすが、同社内の情報筋は、別の根拠を示している。この人員調整は、リソースを最適化し、急成長するAIプラットフォームへの継続的な投資資金を確保するための計算されたステップであるという。
特定の業務を合理化し、収益に影響を与えるこうした決定は、同社が掲げるAI中心の戦略を推進するための資本を解放するために設計されているのだ。「マイクロソフトがAIに巨額の投資を行ってきたのは、AIが人々や産業、社会に貢献できることを確実視しており、テクノロジーと人々を結びつけ、責任を持ってAIの可能性を実現することにコミットしているからです」と、同社はウェブサイトで共有している。
AIに向かうマイクロソフト
ロイターの報道によると、同社が人員削減を行ったのは、AI技術そのものではなく、新たなAI構想への投資のためだという。しかし、サティア・ナデラCEOはシリコンバレーの聴衆に対して、「今日、私たちのレポジトリ上に存在するコードの20%か30%、およびプロジェクトのいくつかは、おそらくすべてソフトウェアによって書かれている」と語った。また、ナデラはメタCEOであるマーク・ザッカーバーグとのステージで、マイクロソフトのビジョンを「蒸留工場」と表現し、そこでは大規模で汎用的なAIモデルを、より小規模で専門的な、さらにはタスクに特化したモデルへと縮小していくと述べた。ナデラは、「AIの民主化」と、このテクノロジーに関して自身が描く計画についてしばしば語ってきた。実際、Microsoft 365、Microsoft Azure、Dynamics 365などの主力製品にAI機能を組み込み、企業を相手にAIを搭載したツールやプラットフォームを売り込む取り組みが進められている。
ウォール街は今回の人員調整に好意的な反応を示している。マイクロソフトの売上総利益率はここ数年、一貫して60%台後半から70%台前半にあり、機関投資家のお気に入り銘柄となっている。12日、マイクロソフト株は449.26ドルで取引を終えた(昨年7月の終値は過去最高の467.56ドルだった)。同社は最近、ウォール街の予想を上回る700億7000万ドル(約10兆3140億円)の四半期収益を報告している。ちなみにナデラCEOは、2025年度にAI関連の取り組みに800億ドル(約11兆7800億円)を費やすと述べている。
マイクロソフトにさらなるレイオフ?
アナリストのギル・ルリアは、このような設備投資額を基に考えれば人員削減は当然の結果であり、さらなるレイオフの可能性もあると見ている。ロイター通信によると、ルリアは、「マイクロソフトは毎年、現在の水準で投資を行っており、設備投資による減価償却費の増加を補うためには、少なくとも1万人の人員削減が必要だと考えている」と述べた。
解雇される従業員には、同社が本社を置くワシントン州の約1985人が含まれる。同社全体の従業員数は22万8000人だ。ハイテク企業のレイオフが続く中、こうしたニュースは解雇された労働者にとって気持ちの良いものではないだろう。



