発射されると、赤外線誘導のASRAAMは近くの熱源に向かって飛んでいく。射程は25kmほどある。トッドはレイブンについて「現時点でウクライナで使用されている短距離防空システムとしては最も有効なもののひとつ」だと説明している。
ウクライナ軍はフランケンSAMをほかにも数多く配備している。旧ソ連製車両から米国製の旧型赤外線誘導空対空ミサイルあるいはレーダー誘導空対空ミサイルを発射するもの、同じく旧ソ連製車両から旧ソ連製空対空ミサイルを発射するものなどがある。旧ソ連製空対空ミサイルを地上発射型に転用するというのは、この戦争が始まるまで誰も考えていなかった。
これらのフランケンSAMの大半は比較的短距離の防空システムとなっている。最も数の多い空対空ミサイルは射程数十km程度のものなので、それも当然だろう。しかし、ウクライナが最も緊急に必要としているのは、ロシア軍の最も強力な弾道ミサイルから都市や基地を守ることのできる長距離地対空ミサイルだ。
ウクライナ軍にそうしたSAMは2種類しかない。米国製パトリオットと欧州製SAMP/Tである。パトリオットの発射機の少数は古い旧ソ連製レーダーと統合されている可能性があるものの、ウクライナ軍の8基かそこらしかない長距離SAMシステムのほとんどは、フランケンではなく完全に純正のシステムで運用されている。


