
終わりのないワイキキビーチの砂運搬プロジェクト
実際、毎日のように大勢の観光客が過ごすワイキキビーチでは、浸食によって砂浜が狭まるため、人工的に砂を運び込むプロジェクトが行われている。「ワイキキビーチ・メンテナンスプロジェクト」は、1900年代初頭に始まり、かつてはカリフォルニアから砂が運ばれてきたが、現在では生態系に配慮して、ワイキキビーチの沖の海底から回収した砂を使って、砂浜を人工的に作り出している。
ワイキキビーチをいくつかの区画に区切って、順に行われるこのプロジェクト。それなりの費用も労力もかかっているが、埋めてもすぐに波が押し寄せ、あっけなく元の姿に戻ることも少なくないようだ。
とはいえ、ワイキキビーチは、いわばハワイの象徴。ハワイを訪れたのに、「砂浜に十分なスペースがなかったため、ビーチで過ごすことができなかった」という観光客が増えれば、彼らの満足度が下がり、観光地としてのハワイの価値にも影響を及ぼしかねない。観光業に頼るこの島で、そんな痛手は避けなければならないだろう。