経営・戦略

2025.05.20 13:30

世界的企業トップが考える「ヒットの法則」

米最大スポーツ用品チェーンを育て上げたCEO「8つの教え」

全米に860以上の店舗を展開する、スポーツ用品店「ディックス・スポーティング・グッズ」。その家業を時価総額180億ドル超の巨大企業に育てたエド・スタックが得た8つの教訓とは。

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エド・スタック(写真)が父のスポーツ用品店「ディックス・ベイト・アンド・タックル」で働き始めたのは10代の時だった。1984年にスタックと彼の兄弟は、父から2つの店舗を125万ドルで買い取り、「ディックス・スポーティング・グッズ」に社名を変更。40年間で時価総額180億ドルを超える巨大企業に育て上げた。ナイキ創業者のフィル・ナイトは、スタックを「家族経営の小さなスポーツ用品店を受け継ぎ、それを全国的な小売業の大企業に成長させた天才」と評す。
エド・スタック(写真)が父のスポーツ用品店「ディックス・ベイト・アンド・タックル」で働き始めたのは10代の時だった。1984年にスタックと彼の兄弟は、父から2つの店舗を125万ドルで買い取り、「ディックス・スポーティング・グッズ」に社名を変更。40年間で時価総額180億ドルを超える巨大企業に育て上げた。ナイキ創業者のフィル・ナイトは、スタックを「家族経営の小さなスポーツ用品店を受け継ぎ、それを全国的な小売業の大企業に成長させた天才」と評す。(photograph by Aaron Kotowski)

1. 常にスコア(成績)を把握せよ

「平凡な選手だったが競争を愛していた」と語るスタックは、成功のカギは予実管理を把握・分析する力にあると語る。「小売業では、売り上げや利益率についてのスコアカードが毎日手に入る」(スタック)

2. 偉大なリーダーを研究せよ

実務経験がなかったスタックは、ウォルマートの創業者サム・ウォルトンなど、ほかの経営者について徹底的に学んだ。新店舗を開くときも、ウォルトンの戦略を模倣し、本社を中心に「同心円状」に拡大した。今日も同戦略を踏襲している。

3. 金のためではなく、愛のために

「お金だけを目的にしないことだ」とスタックは説く。情熱を注げるもののほうが、働きがいがあるからだ。「私は今も毎日働いている」(スタック)

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4. 決して満足しない

スタックは、ディックスが生き延びてきた理由のひとつに、「うぬぼれなかったこと」を挙げる。常にビジネスを改善する方法を探していた。その考えかたについて、彼は「自分たちを打ち負かすようなコンセプトを競合よりも先に考えようとした」と説明する。

5. 自分の「無知」を認める

自身を「すべてを知るほど賢くないことがわかる程度には賢かった」と評するスタックは、事業承継の際、専門外の領域の人で構成された取締役会を設立した。そこには、テレビ局の所有者、靴の製、造業者、弁護士、スタックの叔父が含まれていた。

6. 顧客第一

商品から店舗のフォーマット、商品の回収・返品ポリシーに至るまで、すべてが顧客(アスリート) を念頭に設計されている。「人々は実際の商品に触れ、試着し、体感したいのです」(スタック)

7. 信念を貫く

10代による銃撃事件が起きた2018年、ディックスはアサルトライフルと21歳未満への銃の販売を停止した。顧客層を一部失ったものの、失った収益は、高利益率商品に置き換えることで取り戻せた。「結果的に優れた経営判断になったが、ビジネス上の決断ではなかった」とスタックは語る。

8. 失敗を恐れるな

スタックは、「何かを試してうまくいかなければ撤退せよ」と語る。ディックスは店舗拡大を急いだ結果、経営危機に陥った。今は、店舗数よりも店内の質、既存の店舗網の再設計を優先している。

勝つためには手段を......

Cyrus McCrimmon / The Denver Post / Getty Images
Cyrus McCrimmon / The Denver Post / Getty Images

スポーツ用品販売ビジネスは、あらゆるプロスポーツ同様にタフで厳しい。ディックスの競合も今までに何十社も倒産してきた。そのひとつが、米スポーツオーソリティだ。同社の創業者ジャック・スミスはディックスを軽視していた。しかし、 判断を間違えたのかもしれない。なぜなら、スポーツオーソリティが全米に拡大するにつれて、ディックスはできる限り、その近くに自社店舗をオープンするように徹底したからだ。2016年にスポーツオーソリティが破産すると、ディックスは知的財産と残りの賃貸借契約に関する権利を、わずか2100万ドルで買い取った。

text by Chloe Sorvino, Jonathan Burgos(1P), Jemima McEvoy(2P)

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