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2025.05.16 08:00

「朝4時起き」は本当に生産的なのか?科学が示す早起きのメリット・デメリット

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生産性を最大化する睡眠スケジュールの組み方

上記の研究から得られる重要な洞察は、誰もが午前4時に起きるべきということではなく、自分が生まれつき持っている体内時計と社会生活に睡眠パターンを合わせることが最も重要ということだ。人は新しい仕事のスケジュールや家庭の取り決め、健康とウェルビーイングの改善など、さまざまな理由で睡眠スケジュールを変更する。

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起床時間を早めようと考えているなら、以下のヒントを試してほしい。

1.少しずつ変える

ある日突然、起床時間を大幅に変えるのではなく、15分単位で調整する。徐々に変えていくことで、突然の変化に体がショックを受けることなく順応できるようになる。

2.光を浴びる

朝に光を浴びると、体内時計がリセットされる。朝の散歩や早朝に屋外で過ごすことで、新しい起床習慣がなじむようになる。逆に夜の光、特に端末のスクリーンから発せられるブルーライトは、寝つきを悪くする可能性がある。

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3.運動と食事の時間を決める

朝の運動は、睡眠と覚醒のサイクルを早めるのに役立つ。同様に、起床後すぐに朝食をとると体内時計が整いやすくなる。毎日同じ時間に食事をとるようにし、遅い夕食は避けるようにする。

4.カフェインの過剰摂取を避ける

研究によると、就寝までの6時間にコーヒーを飲むと睡眠を妨げる可能性がある。カフェインの半分がまだ体内に残っていて、覚醒させる働きをするためだ。カフェインの許容量には個人差があるが、専門家は摂取を1日400mg以下にすることを勧めている。

5.夜にリラックス習慣を実践する

毎日の習慣で、脳に「寝る時間」を知らせられる。例えば、携帯電話でメールをチェックしたり、テレビを見たり、あるいは電子書籍リーダーでお気に入りの本を読んだりする代わりに、以下のようなリラックスできる習慣を試してみよう。

・瞑想をする
・ゆっくり風呂に入る
・(物理的な)本を読む
・日記を書く
・リラックスできる音楽を聴く

各要素の調整が生産性につながる

研究は、単に早起きすれば成功するとは示唆していない。次のことを示している。

・特定の時間に起床するよりも、一貫性が重要
・睡眠スケジュールを仕事に合わせることで、「社会的時差ボケ」を減らせる
・仕事への集中やセルフケアのための邪魔されない時間は、目に見える利益をもたらす

早起きする人が享受しているメリットは、早朝に集中できる静かな時間を持てることかもしれない。問題は早起きすべきかどうかではなく、あなたの睡眠スケジュールが自身の身体や責任、目標に合っているかどうかだ。生まれつき朝型であれば、それを受け入れよう。朝型でないなら、体に反するスケジュールを無理に組むのではなく、睡眠の一貫性と質を重視するといい。

自分の自然なリズムを受け入れることによって、健康的で持続可能な習慣を確立しやすくなる。そして、高い生産性と長期的なキャリアの成功につながるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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