アップルは今年、iPhone SEを製品ラインアップから引退させ、新たにiPhone 16eを発売した。これにより、今後はエントリーレベルのiPhoneが1年ごとに発売されるのか、それともこれまでのiPhone SEのように、より長いサイクルになるのかという疑問が浮上している。
ここ数日でアップルの内部情報に詳しいブルームバーグのマーク・ガーマンや、TFI証券の著名アナリストであるミンチー・クオらが、この問題に対する独自の見方を提示した。
ここで重要なのは、アップルが製品のネーミングを注意深く行っていることだ。同社がiPhone SEという名称を廃止したとことは、新たなモデルがこれまでのように「Touch IDを備えた小型のiPhone」というフォーマットに縛られたものではなく、既存のデザインに新たなプロセッサーを搭載した製品でもないことを意味している。
iPhone 16eという名称は、この端末がまったく異なる存在であることを示しており、ユーザーに価格の上昇を受け入れやすくさせている。
またこの新たな名称は、より短い更新サイクルを示唆している可能性もある。例えば、今秋にiPhone 17が登場するのであれば、来年の春にはiPhone 17eが発売されても不思議ではない。しかし、アップルがエントリーレベルの製品の価格を安価に維持するための方法の一つは、既存のデザインを流用し、それを数年間販売し続けることだ。
マーク・ガーマンは、4月27日付けのニュースレター「Power On」の中で、自身の見解を明かすと同時にこの名称変更に関してコメントした。「アップルが打ち出したマーケティング戦略は、このモデルを新型のiPhone SEとしてではなく、iPhone 16シリーズの一部に位置づけるというものだ。それにより魅力がぐっと増し、中国のような市場の消費者にとってより興味深い製品になった」と彼は述べている。
ガーマンはまた、製品のアップデートサイクルについては、次のように述べている。「最大の疑問は、アップルが新たな『e』ラインを毎年更新するのかについてだ。アップルはまだ、最終決定を下しておらず、それを決めるまでにまだ数カ月の猶予が残されている」
しかしミンチー・クオは異なる意見を持っている。彼は、自身のブログで今後2年以上にわたる新型iPhoneのラインアップを予測した。それによれば、iPhone 17eは2026年の前半に登場する唯一のiPhoneとしてリリースされ、iPhone 18eは2027年前半に発売される見通しだという。
もしこの予測が正しいとすると、アップルの製品ラインナップにはこれまで以上に多くのモデルが並ぶことになる。ただし、iPhone 17eの登場時にiPhone 16eが廃止されるのであれば、その状況を避けられる。iPhone 16eの登場時にSEなどが廃止されたのは、ラインナップを整理する意図もあったのかもしれない。
クオは、アップルが年2回(上半期と下半期)に分けてiPhoneを発売するスケジュールを採用している主な理由が、中国市場での激しい競争に直面した結果、これに対応するためにマーケティング戦略を転換していることにあるとブログで述べている。競合他社が通常、上半期に新モデルを投入する中で、「アップルが同じく上半期に新型iPhoneを投入することで、マーケティング面でのギャップを解消できる」と彼は述べている。



