最近、SNSを巡回していると広告の多さに閉口することがあるだろう。もはや、これも広告か? と疑いの目を向けるほどだ。あなたは、そんな広告に「釣られた」経験はあるだろうか?
筆者自身は、SNS広告をほとんど無視している。目に入ってもスルーするか、せいぜい流し見する程度で、それが購買行動につながることは滅多にない。しかし、Z世代向けの企画・マーケティングを行う僕と私とが実施した「SNS広告に関する調査」によると、以外にもZ世代の約3割が、SNS広告を見て商品やサービスを購入した経験があると回答していることがわかった。

まず、どのSNSで広告を見たときに商品を購入したのか聞いたところ、「Instagram」が17.2%でトップ。ついで、「YouTube」の13.4%、「TikTok」の10.3%と続いている。InstagramやTikTokは投稿の合間に広告が挟まっているが、YouTubeは動画の合間に挟まっており、筆者は邪魔だと感じるが、そんなYouTubeでも購買につながっているZ世代を見ると、挟まれる広告を「邪魔なもの」とは感じていない層があるのかもしれない。

では、どのような広告がZ世代に響いているのだろうか。「広告っぽさ」のある投稿で購買意欲はどう変化するかの問いに、「購買意欲が高まる」は14.6%とわずか。むしろ「購買意欲が少し下がる」「購買意欲が完全になくなる」を合わせると、43.4%に達し、「いかにも広告」という押し付けがましい表現の広告は避けられる傾向にあるようだ。

意欲を削ぐ理由としては、「宣伝が押し付けがましく感じた」が48.9%、「広告である時点で信頼できない」が47.9%とほぼ半数を占めた。ではどういう投稿がそう感じるのかの問には、「インフルエンサーが不自然に商品を紹介しているもの」が41.6%でトップだった。SNS広告では、インフルエンサーを使う傾向にある印象だが、見せ方次第では逆効果ということになる。


この調査結果から、企業やブランドにとって、Z世代をターゲットにするのであれば、安易にインフルエンサーを使って商品を使ってもらう広告を流すだけでは不十分で、いかに広告っぽさを消せるかが鍵となるだろう。ターゲットとなるSNSも踏まえて、見せ方の工夫をしたほうがよさそうだ。
出典:僕と私と「SNS広告に関する調査」より



